私が高校3年生の頃、歴史の定期テスト返しの日。私はひどい点数をとってしまった。もちろんすごく落ち込んだけれど、これは珍しいことではなかった。
受験勉強を頑張って入った憧れの高校で待っていたのは地獄だった
私は定期テストで平均点を超えたことはなく、いつも赤点ギリギリの点数だった。あれだけ受験勉強を頑張って入った憧れの第一志望校だったのに、その後こんな地獄が待っているとは。
しかし、私は絶望しながらも微かな希望を頼りに、毎日努力をしていた。決してサボっていたわけではなかった。地方進学校特有の強制的かつ膨大な量の課題と真っ向勝負する毎日。睡眠時間を削っては次の日までの課題をこなし、わからないことがあれば先生に質問をし、授業中困らないように予習は誰よりもしっかりやるようにしていた。
テスト返しの授業後、用があったので職員室に入ったらおじさんの後ろ姿があった。さっきの歴史の先生だ。すると、なぜか急に私の方へ振り返って、こう言った。
「ほんと、頭悪いんだね。女子校行って賢い男の人にめとってもらいな。」
私はショックを感じた。自分もどこかで気づいていた、頭が悪いということを明確に指摘されたことに。そして何より、「女子校に行ってめとってもらった方がいい」と言われたことに。
一生男の人に頼って生きることが、女性の幸せなのか
女子校ってそういう所なの?めとってもらえたらそれで幸せなの?女性ってそんなに不自由なの?
先生は侮辱している様子は一切なかった。むしろ心配してアドバイスをくれているようだった。私は、そんなふうに諦めてたまるか、そう思った。でも、確かに実際そういう世渡り上手的な生き方をする人もたくさんいる。逆に言うと、私がもし男だったら「頭悪いね。」と見下されるだけだったかもしれない。そういう観点では「女性の方が有利じゃないか、自分が頑張らなくてはいいのだから。」と言う人も中にはいるのかもしれない。
でも、私は思った。そんな生き方は悲しい。一生男の人に頼って生きていくのは何か違う。自分一人で生きていける強さを身につけたい、と。“女”を武器にして戦う道もあるかもしれないけれど、私は私の実力で生きたい。これから先のキャリアだってそう。一人で生きていくか誰かと一緒に生きていくかは関係なく、一人でも生きていくことができる自分でいたい。
一方で、女であることは忘れないでおきたい。男性と同様に、女性も男性にはない能力をたくさん持っているから。女性ならではの能力は、自分のためではなく社会のために使いたいから。
女性が強く、真の自信を持てる世界を願いながら。私は挑戦を続けている
私は、結局第一志望の大学には落ちてしまったけれど、受かった大学に通いながらこうしてライターとして活動するなどいろいろな挑戦をしている。
女性が決まったレールを歩まなければならない、なんてことは絶対にない。
女性が社会的圧力ゆえに自分の意志を消し去ることがなくなりますように。
強く、真の自信を持てる女性がこの世界に増えますように。