既婚者っていうと、あるステータスの、特権階級のようなイメージがある。
私は結婚はもとい、付き合ったことも一度もない。そんなペーペーの恋愛初心者にとっては、それを特権階級のように感じるのは、当たり前かもしれない。しかし、大人に近づくにつれて、恋愛と結婚の違いに気づくようになってきた。

動機は人それぞれ 本音と建前が交差する婚活と就活は似ていると思う

恋に恋するとは、的を射た表現で、恋愛とはロマンチックでトキメキを求めるようなものだとは思う。しかし、これがいざ結婚となると、話が変わってくるのは皆承知のことだろう。
家庭を築き上げる上で必要な費用を稼げる相手なのか?狡猾な人材ならば、ステータスなどを求めて、相手を丸め込み操る強者もいるかもしれない。
そういう結婚相手に求めるある程度の基準は誰でも持っているはずだ。

私は思う。婚活とは第二の就活のようなものだ。
巷では、男女が合コンや婚活パーティー、マッチングアプリで出会いを求めている。
でも実際にそこにいる人たちの動機は人それぞれで、ただ単にヤりたいだけの人もいれば、生涯を添い遂げる伴侶を見つけるため探す人もいる。
これは、就活にも当てはまるのではないか。

たとえば、『公務員』。安定した職で堅実な仕事は固定客(応募者)を掴んでいる。
それであっても志望動機はさまざまで、「福利厚生がいいから」や「リストラされないから」という安易なものから「心から日本が大好きで国民の生活を支えるお力添えをしたい」というものもある。ただし、安易な考えを全面的に出すと、却下されるのは目にみえてわかるため、建前では皆誠実なことを言う。

希望通りの仕事や結婚ができる人なんてほんの一握り

また『大企業(正社員)』は、華やかな営業職や、クリエイティブな能力を活かす企画職においては特に人気がある。
しかしながら、その夢を叶えられるのはほんの一握り。たとえ大企業に就職したとしても希望とは違う部署に飛ばされることはあり得るのである。それで済めばいいが、職場関係においてブラック企業になら必ずと言っていいほど当てはまるパワハラといったハラスメントなどが起これば、辞めざるを得ない状況に陥ることにもなるだろう。

これを結婚というフィールドに置き換えてみると、『公務員』=安定した生活費用を生み出す打出の小槌、『大企業』=ステータスあるいはネームバリュー、『正社員』=保証された老後、『パワハラ』=姑(家族)のいびり、『志望動機』=結婚したい相手へのアピール...と当てはまる気がするのは私だけだろうか。

人は独りでは生きていけない バツはキャリアップのための経験値

人は一人で生まれ、一人で死んでいくのにも関わらず、独りでは生きていけない。人は常に人と比較され、区別される生き物。なんともふがいない生き物であるが、そんな私たちだからこそ、私は人に評価される人でありたいと思う。
そして、人を評価する前に、鏡の中の自分を見つめ、志望動機をのべつまくなしに話すのではなく、志望する相手にメリットのあるものを自分は果たして持っているのか、一度立ち止まって考えてみる。
離婚したっていい。バツが付いたとしても、それはあなたと性分が合わなかっただけ。ハラスメントばかりの環境には喜んで辞表を出すように離婚届を出せばいいのだ。バツは、あなたのキャリアアップへの経験値だ。
私たちは何故生まれたのかを知ることは難しいが、どう生きたいかは考えることは出来る。
自分のブレない軸を持って、真摯にぶつかっていけば、必ず誰かは『結婚』という名の採用を出してくれるはずだ。
そんな人が少しでも多く増えていけば、『結婚』は特権階級というカベもいずれなくなるだろう。