「幽霊みたい」「犯罪者みたいな顔」とけなされた顔。私が勇気を持ってマスクをはずしたとき

2021/02/05

｢幽霊みたいだね｣

中学1年生の頃、ただ水道で手を洗っていただけなのにそう嘲笑われた。
運動するのが好きだったから、入学してすぐバレー部に入ったは良かったもの、スクールカーストというおぞましい組織に巻き込まれて、気付けば三軍の1番下。そこから虐められる理由として挙げられるのは、①コミュニケーション能力の圧倒的な低さと、②レギュラーに選ばれた、という圧倒的な理不尽さからだと思う。

「かわいいってそういう意味じゃないから」。笑って言われたあの日の嫌味が人生を変えた

10年以上経った今でも、呪いの様にまとわりついている言葉

コミュニケーション能力に関しては本当に下の下だった。周りの友達や先輩は皆可愛いし、所謂女子グループの和気藹々としたのが私はどうも苦手だったし、どのタイミングで話に加わればいいのかを周りの顔を伺いながら、思ってもいないことを口にしたり笑ったりしていた。女子特有の皆で行動とかも苦手だったし、一軍の子の様子を伺いながら一緒に過ごすなんて最悪だと思ってたけど、周りの友達は嫌われたくないのか、ずっと一緒に過ごしていた。今でもその気持ちはよく分からない。

②のレギュラーに選ばれたというのは、正直練習に精を入れていなかったし、やる気もなかったのに一軍の子ではなく私がレギュラーに選ばれたからだ。
そこからはもう地獄。
突然一軍の子達から悪口を言われたり、会話にも入れてもらえなかったり、最初に記載した｢幽霊みたいだね｣なんて言葉も正面で屈託のない笑顔で言われた。
因みに幽霊みたいだねの言葉には続きがあって、存在感が薄いから居るのが分からない。という意味だったらしい。その言葉を聞いた時は、寒気と怒りが湧き上がり、10年以上経った今でも呪いの様にまとわりついている言葉だ。

まぁそんなこんなで虐められ、登校拒否したくなったが、幸いにも親友と呼べる存在が居てくれて、励ましたり遊んでくれたりしてくれたお陰で、部活は辞める事となったが、今でも元気に生きている。

顔を見られるのがとにかくコンプレックスになってしまった

中学生の頃から波乱万丈だったが、高校一年生の時も荒れに荒れていた。私は女子の騒動に巻き込まれる体質なのだと感じてる。
高校一年生の時は、私自身中学生の頃の思い出があったので、とにかく変わりたい一心でコミュニケーション能力を高める為、人見知りを発揮しながらも、同じクラスの人に声をかけまくり、少しでも他の人に自分の印象を残す事だけに集中していた。そのお陰で今でも仲良くしてくれる友達もいるが、またまた一軍の女子に愚痴愚痴言われる事にもなる。

私の事が気に食わないのか何なのか分からないが、聞こえるように｢犯罪者みたいな顔してる｣｢目が一重だし顎出てるよね」なんてコソコソと言われていた。
自分とは思いたくないが、確かに目は一重だったし、遺伝で少ししゃくれてもいて、そんな事を言われるのがとにかく辛かった。私じゃないと思いたかったが、女の勘は鋭い。自分の事だとすぐ気付いた。その言葉もまた呪いとなって、私は高校3年間、修学旅行にも遠足にも何の行事にもマスクをつけていた。

顔を見られるのがとにかくコンプレックスになってしまった。あの子が言った言葉のせいで、私の顔は恥になっていた。

しかし高校一年生から二年生に上がった時、クラスも皆バラバラになって二度とその子と同じクラスになることはなく、本当に嬉しかったし、安堵した。その子の顔を見るのが辛かったし、顔の次は体型、髪型、私の全てを否定してきそうで怖かった。

発した言葉はナイフとなって襲いかかり、心を抉って精神を破壊する

まぁ、そんなこんなで一年生は怒涛に終わり、二年生からはとにかく楽しかった思い出しかない。初めて女子のグループで、こんなに楽しく過ごせるんだってやっと感じられ、口下手な私も打ち解けられたし、皆が私を肯定してくれた。そのお陰で今の私がいる。
今はコロナの事があるので、毎日マスクを付けているが、大学生からはマスクをつけなくなった。自分を分かりもしない人間に罵倒されて落ち込んでいる暇なんてないと決心した。正直入学してから最初は、マスクを外すのもとても怖かったし、また周りの人から顔の事で何か言われたら…なんて考えもしたけど、それからは誰にも何も言われず生きてきた。そんな些細な事が心から嬉しかった。

若気の至り、なんて言葉で済ましてしまう人もいるかもしれないが、発した言葉はナイフとなって襲いかかってくるし、心を抉って精神を破壊してくる恐ろしいものでもある。
しかし同様に、人を支えるのもまた言葉や行動だ。私は自分の体験から、人に使う言葉は丁寧で、上品なものにしようと誓っている。貶すのではなく、褒める。それがモットーだ。