特に、この人と結婚したい!と思う人に出会っていたわけではない。

彼氏はいないほうがいいわ。出会いはないわ。そんなバイアスがあった

ただ、それなりに有名な大学に4年間通っていれば、それなりの企業に就職するか大学院に進学するかするでしょ。そして就職したら大変すぎて2~3年はプライベートなことなんて考える暇もないわ。
彼氏なんていないほうがいいくらい。少なくとも出会いはないわ。
そんなバイアスを無意識にかけられていたし、大学の先輩で20代前半で結婚している人が身近にいなかった。

そうか、20代前半で結婚ってできないのか。
就活の時、無意識に「女性が働きやすい環境です」「育休産休あり」と書いてあるところに惹かれてしまっていた。それは、女性が働きやすい環境の方が、結婚して、産休育休を取った後も雇ってくれそうだから。
終身雇用の時代は終わったとはいえ、女性が結婚後働き続けることがメジャーになった時代は始まったばかり。どこでどのように生きていくのが自分にとって良いのだろうか。
面接ではとてもじゃないけど「ご縁があれば今すぐにでも結婚したいです」なんて言えないし、周りの友人や家族にも就活中の身でそんなこと言えなかった。

違う、違う、と自分を思い込ませていた私が結婚を身近に感じた瞬間

入社した会社の同期は、同い年は数人で、半分以上は1~3歳上の年齢だった。
入社時にすでにプロポーズをして婚約中の子もいた。でも、まだ“婚約中”だ。
私の中で、それは、私のしたいと思っている結婚の状態ではまだなかった。
それにその子は2つ年齢が上だ。自分とは違う。
それに彼の彼女は資格持ちだ。結婚しても仕事がある。自分とは違う。
違う、違う、そう思い込ませていた自分は、今思うとやはり、憧れの結婚という現実、当時22歳という自分の年齢が、大卒で働く者としては若すぎること、結婚=バリバリ仕事をする第一線から退く→資格などない限り社会に戻ってくるのは難しいというところがネックになって、資格を持っていないことがコンプレックスだったのだろう。

しばらく一緒に研修しているうちに、同期はみんな同じ社会人一年目だし、精神年齢もさほど変わらないことに気がつく。
そんな時、別の同期もまた結婚した。その子も年齢は2つ上の有資格者だ。でも、収入もさほど変わらないし、考えも変わらない同じ社会人1年目の同期。この頃には研修で自信がつき、有資格者であるかどうかも自分の中で大事ではなくなっていた。

その時に気がついた。
私も、今、結婚しても良いんだ。

一緒に住みたいから結婚した。それぞれ違う形を2人で作っていければ

ちょうどその時に付き合っていた方とも、結婚したいねという話になり、私たちは籍を入れた。仕事上、別々の地(200km離れている)に住み、働いている形は変わらない。
だけど結婚するのは、一緒に住みたいから。今2人が所属している会社では、結婚/パートナーシップがあることで、近くの勤務になるよう異動の可能性が高まるのだ。
社会人になって、彼氏彼女の関係と夫婦の関係の制度的価値が違うことをより思い知らされる。

結婚が決まったことを中高や大学の友人に報告すると、泣いて喜んでくれたり、感慨深いと言ってくれたりした。
当の本人はこの結婚という決断が、それほど周りの心を動かすものだと思っていなかったので少々驚いた。
結婚しても一緒に住まず、お互いに仕事を続けていくことを伝えると、「今どきだね!」とも言われる。今どきなのかもしれない。

形なんて、それぞれの夫婦で違うもの。2人で作っていけば良いのだ。
だから、時期がいつだろうと、一緒に住もうと、仕事をやめようと、他人がとやかく言えることはなくて、自分と相手でその価値が会う人と、2人だけの形が作れれば良いんだ。
(もちろんそれぞれの家族というハードルがあることも結婚をして学んだけれどね。)