雲一つない空があれば心も晴れ、冷え始めた外気にあたれば火照った体に気持ちよさを感じる。
自分の目に映ったもの、感じたものから素直にいいなと思うものを受け入れていく。悪く言えば流されやすいということかもしれませんが、私は自分の感性は好きだな、と思っています。

“非日常“というものは、自分の捉え方次第で生み出せるものもある

私は旅が好きです。
近所への散歩から海外への旅行まで、自分の足で歩いてみることが好きです。
旅というと何か日常から一つ距離を置いた特別な感じがしますが、“非日常“というものは自分の捉え方次第で生み出せるものもあると思います。(もちろん、お休みを取って遠くへ行く”旅行“はより格別なものですが!)
いつも見ているはずでも時間や天気や自分の心境で変わる景色、新しく見つけたお店の看板や、初めて訪れる場所、知らない土地に流れる空気・匂い、暮らしている人々の生活を目で見て、肌で感じて。その時に「キレイな色だな」「この瞬間を切り取りたいな」「この景色は初めて!」と何かを見つけてみるのです。他人にとってはどうってことないようなことでも、目を向けてみることで「素敵な角度」があるかもしれない。そんな風に思ってしまうのです。
それは凛と咲く道端の花だったり、雨の日の窓に伝う雫だったり、まだ目覚めていない静かな朝の街中だったり、ビル群とのコントラストの映える夕焼けだったり、夕食時で人々が賑わう夜の市場だったり、ただの日常を一つのシーンとして捉えてみることです。

写真に残すことで、「私の感性」が「私」を客観的に見つめるモノに

捉えたシーン、瞬間は「私」を主体とした画ということになりますが、そうした瞬間はできるだけ写真に収めて、「私の感性」として溜めていきます。
こうして写真という形に残すことで、「私の感性」というものが「私」を客観的に見つめるモノにもなりえます。現状だけでなく、見返す度に当時考えていたことを思い起こすこともできます。
写真があると、このように自分の中に積み重ねてきたものを知ることもできますが、それだけでなく周りへサクッと共有してみることも可能になります。もちろんただの自己満なコレクションですが、自分が素敵と思っているその瞬間たちに共感してくれる人のこともまた、探しているのかもしれません。というのも、ちょっとした気づきを見落とさずにキャッチできる人にはどこか佇まいやアウトプットに温かみがあって心動かされるように感じて、私自身がそういった人になりたいと思っているからです。

自分の感性を大切に、自分らしい色を持たせて分厚くしていきたい

冒頭の「旅が好き」という気づきの所以は、自分が目で見て「キレイ」と思った瞬間を撮り溜めていくことが好き、そして旅をする限り、そういった瞬間に出会い続けることができるからだと気づいたことに繋がります。旅をすることで自分の感性を広げることができるので、私にとって旅と自分の感性が表裏一体となっているのです。
私のことを旅好きと知っている友人たちからは、往来が制限される現在の情勢下では私にストレスが溜まっているのではないかと心配する声をありがたくも頂きました。ですが、身近なところでも"旅"にすることができる(このことにはこの状況下になって改めて気づいたことでもありますが…)ので、窮屈に感じていることはなく、日常でも目を向けてみれば私の感性をくすぐるものがたくさんあるなと日々感じています。

これまで、自分の感性をくすぐるものを写真には収めていたものの、文字に起こしてみることで、新たに自分自身を見つめ直すことにも繋がった気がします。表現するもの、アウトプットするものへ、自分の感性を大切に、自分らしい色を持たせて分厚くしていきたいなと、改めて思います。
広く何でもない日常の中に「キレイ」と感じる心を持ち続けて。