私は働くのがあまり好きではないタイプの人間である。そんな私が働く理由は自分でも分かっているようで分かっていない気がしている。
なぜ私は働いているのか、これまで真剣に向き合って来なかったこの難題を本エッセイをきっかけに素直に自分に問いかけてみようと思う。
「事務職より稼げる」という理由で営業職に就いた
まずは私の職歴を振り返りたい。私は今社会人8年目で転職を一度している。新卒で入った会社は営業職で採用され、5年経ったタイミングで転職をし、今の事務職の仕事に就いた。新卒で入った会社は中小企業で右も左も分からない私は兎に角毎日朝早くに出社、夜は残業をし、誘われたら飲み会へ行き、土日はたまにゴルフに駆り出されたりと忙しない日々を過ごしていた。あっという間に4年が経った頃から「この仕事をずっと続けていくのは無理ではないか?」ということに気がつき始めて、転職を考え始めた。
そもそも1社目で営業職を選んだ理由は「事務職より稼げるから営業職だ」という安易な考えだった。転職サイト等で求人情報を見ていてやっと自分の会社の給料や賞与の低さにやっと気がついたのだ。事務職でも当時の私より100万以上年収が上がる会社がいくらでもあった。
私はこれまで何をやってきたんだという思いでどんどん転職活動を進めて行った。
今の私の働く理由は「生活のため」以外何物でもない
転職活動は順調に進み、第一希望の会社に入社することができた。順調に進んだのには自分なりの戦略が上手くいったからなのだろう。戦略とは営業職から事務職に就くには事務職に就きたいという明確な理由と熱意と資格を揃えて挑むというものだ。ここまでは良かった。私自身、この職場で経験を重ねて、エキスパートになるんだ!という気持ちもあったはずなのに希望した職務に就けていないというのが現状だ。
仕事があまり好きではないと感じてしまっているのも希望の職務に就けていないのが原因の一つかもしれない。
私は働いて経験や知識を重ねていき、その道のエキスパートになりたいという思いを持っているいわゆる「専門職」に就いた方が良いタイプだと思う。
張り切って転職をした結果、希望していなかった職務に就いていて、日々淡々と業務をこなしている。今の私の働く理由は「生活のため」以外何物でもない。生きていくためだけに毎日働いている。その上、人間関係がイマイチな職場でもあるため、日々ストレスを感じることも多い。
仕事に不満を感じているのはただの私の「わがまま」や「無いものねだり」なのかもしれないと思うこともある。ただ、それでも良いと思う。それを認識し、改善していけばいいのだからとは思うが、思っているだけで何も出来ずにいる。
働きながら人生を豊かにしていけたら、なんて幸せだろう
私の中での理想の働く理由は「自己成長のため」とか「社会貢献のため」とか嘘でもなんでもなく、そう思いながら働いてみたい。
働きながら人生を豊かにしていけたら、なんて幸せなことだろうか。
言い訳ばかりを並べていても前には進まないから、今の職場で「やりがい」を見つけて、色の無い毎日に少しでも彩りを加えていけるよう自分なりに考えていかなくてはいけないとこのエッセイを通して痛感した。
そういえば先日、会社の偉い人に仕事のやりがいを最近聞いてみたのだが、「プライベートの充実」という的外れな答えが返ってきてから、これは人に聞くことでは無いなと気がついた。
自分を変えられるのは自分しかいなくて周りの人は助けてはくれるかも知れないけれど、周りの人にとっては所詮他人事である。
この長い人生の中でどう働くのか、なぜ働くのか、この深みのある難題に対して逃げずに自問自答を繰り返して、自分の納得いく答えを見つけに行くことにした。