私にもできる仕事がある。パソコンを前にして頭を使う仕事なら、まだまだいろんなことを覚えていけそうだ。ただし、立ち仕事を避け、重い荷物を持たないような、残業のない正社員という職種はありそうでない。そもそも採用に漕ぎ着けられない。

では、見つからないうちから今の仕事を辞めようなんて考えないで、続けるという選択肢はないの?

ないよ。確かに、働きながら公務員試験を受けてせっかくなれたのに、「もったいない」っていうけど、私の立場で考えてみてよ、大変なんだよ。

関節リウマチになった私に、上司は「どうしたの?」とも聞かなかった

言っとくけど、私が関節リウマチになったのは仕事が原因としか思えないからね。女の人はなりやすいっていうからとか、なってる人いるよとか、一緒くたにしないで今私に起こっていることを見てよ。

なったことを恨んではいない。休んでいいよって天から神様が言ってくださったんだ。病院に行くから仕事代わってくださいってお願いしても、手首にあからさまにサポーターをしてても、「どうしたの?」の一言も聞いてこない直属の上司には、辞めると発表するまで病名を告げずにいたけど、見た目には分かりづらいから、知らない人のために少し説明させていただく。

関節リウマチは自己免疫疾患といって、自分で自分の細胞を攻撃する病気の仲間だと言われている。全身の関節が攻撃対象で、何もしていないのに腫れるし場所も変わっていく。炎症や痛みを抑えながら、免疫異常に働きかける薬で治療をする。高額な注射や点滴を必要とする人もいる。放っておくと骨同士がくっついて変形する。今はまだ完全には治らない病気とされている。

私は早めに診断を受けることができて、一部の人にだけ病気のことを伝えておくだけで、普通の仕事を続けられていた。

でも、仕事が大変になったり、寒い季節になったりすると、痛みが強くなって薬を減らしていたのを増やしてしまうことに気がついた。

やっと叶えた管理栄養士の仕事。天職だったけど、辞めることにした

帰ってからも一回横になってからでないと、食事をとる元気がないほど疲れていた。残業をしないようにしていても、終業まで働くことさえ辛く感じるようになっていた。

周りに悟られないようにしていたけど、病気を分かってもらったところで、私に手を差し伸べる余裕がないほど皆忙しく、状況は変わらなかった。

私が今までしていた仕事は、管理栄養士。生活習慣病の指導や離乳食の相談など、4年越しでやりたいことを仕事にできた。

働いてみて、まさに天職で、やる気に満ち溢れていて、定年まで働くつもりだった。課長になりたいと思っていた。だけど、資格以上に自分の力を信じていたから、まったく関係ない事務職に転職する道を選ぶことができた。

体に負担をかけないために、家から近く。正社員だとどうしても残業はあるから、この際パートもありで。ハローワークのお兄さんにやっと本音で話せたとき、すっと前に差し伸べられたのが、今の仕事だ。

採用担当の人と話すハロワの職員さんが、おずおずと私の病名を相手に告げても「いいですよ」と面接の返事をいただくことができた。

面接の数日前には、初めて指が腫れて字が書けない状態になってしまい、治らなかったら仕事が危ういと心配していたが、そんな出来事や普段の様子を伝えても、受け入れてくれる職場だった。

仕事を変えてのんびりしているうちに、症状も安定してきたけど、どうなるかはわからない。

今働けているうちは働きたい。私を拾ってくれた職場の人たちのためにも。昼の給食がいつも楽しみで、そこも気に入っている。