小、中、高、そして大学。とくに苦労することなく進学し、履歴書を書くときに参考にする早見表通りに学歴を刻んでいった。それが普通で、正しいことだと思い込んでいた。
就活の時期を迎え、とくにやりたいことが無かったが、周りが就職先を見つけていくので、私も、とりあえず就職した。だけど、やりたいことを見つけるまでの22年という月日は私には短かすぎた。そして、現在、社会人になって2年目になった。いや、社会人とは呼ばれないのかもしれない。だって私は現在、無職だから。
仕事は我慢大会じゃない。だけど、レールから外れることは怖かった
新卒で入った会社を半年で辞め、その後、販売のアルバイトをするも、コロナの影響で今年の5月には仕事を失った。
新卒の会社を辞めたきっかけは、この会社でなりたい自分が見つけられず、ただただストレスで体を壊しながら働く自分に恐怖を感じた為である。ただ、今まで、日本社会の風潮に逆らうことなく生きてきた私にとって、"3年以内の転職"がとても不安だった。友達や親の視線が怖かった。だから、本屋さんに行っては、転職に関する本や自己啓発本を買い漁り、何とか自分を正当化させ、自身で自身の背中を押した。
それくらい辞めたかったのだろう。だから後悔はしていない。仕事は我慢大会ではないのだ。正社員を辞めてから早くも一年が経とうとしている。周りの友達は、"大変だ、もう辞めたい"と言いつつも、正社員として働いている。同じく大学を卒業したにも関わらず、正社員じゃない自分に、何度負い目を感じたことだろう。焦りや不安、自信喪失、今まで見たこともない黒い波がやって来て、何度ものまれた。
やっと見えてきた私の「やりたいこと」を叶えるために
そんな中でも、最近、少し興味のあることができたのだ。それはWEBデザインである。昔から自身のHPを作ってデザインをすることや、絵を描いたり、インスタの投稿をお洒落にすることが好きだったため、それを仕事にしたいと思うようになった。
しかし、未経験かつ知識のない人間をすぐに雇ってくれるところはない。まずは勉強から始めないといけないが、パソコンも持っていない私は、まずはお金を貯めなきゃいけない。そのためにも就職先を見つけなきゃいけない。今は黒い波にのまれたままだが、いつか、この時を、"苦労したなあの頃はハハハ"と思えるように。
職歴なんて関係ない。いつか黒い波をオーシャンブルーに変えてやる
仲の良い友達にさえ、私は正社員で働いていると嘘をついている。だから、会うと必ず聞かれる「最近仕事どう?」ほど嫌な話題はないが、いつか胸を張って仕事の話ができたらいいや。だから今は、「うん、まぁ、ぼちぼち?」と言って、話題を変えよう。占いに頼って、一喜一憂するのもやめよう。黒い波が、透き通ったオーシャンブルーに変わり、その上を波乗りすることが今の目標だ。大丈夫。話さなければ、誰も私のほんとの職歴なんて分からないんだから。いつか笑える日が必ず来るから、結果オーライでしょ。