10歳から28歳の現在まで日記をつけています。そこには私の喜怒哀楽の一部が刻まれ、中でも際立つのが悔しかったこと。

【悔しい度ランキングトップ3】として思い出されるのは、3位が元彼の浮気未遂、2位が元彼のある一言(また記事にしたい)、1位が鬱の原因になった会社の社長との出来事。今日は、人生で1番悔しかったことについて、「私が謝りたい人」のテーマで書いてみます。

急な訪問者は私に雷を落としていった

忘れもしない2017年5月某日、黒いスーツの男2人が、自宅のインターホンを鳴らした。
私は1人で家にいて、髪もとかしておらず、スウェット姿だった。窓の外を見てびっくりして、走って玄関の扉を開ける。
そこに立っていたのは、勤めていた会社の社長と総務担当者だった。私はゴールデンウィーク明けに精神科でもらった休職願いを会社に郵送して、会社に行っていなかったのだ。
私はその頃、キャパ以上の仕事をしていて心が死にかけていた。「できない」と言ってはいけないと思っていて、会社の誰にも助けを求められず、自分を追い込んでいた。

そんな複雑な状況下での突然の訪問に「来てくれたんですか~!」とも喜べず、「なんで来たんですか?」と怒りもできず、作り笑いで「どうも」と言うことしかできなかった。
社長は「意外と元気そうやん」、総務担当は「旅行でも行ってきたら?」と言った。
(え…?今、なんて?)思考が止まり、心がチクリ。(今のなに?)そして、2万円の見舞金が入った封筒と果物のバスケットを手渡された。私は混乱して「体は元気です」とまた作り笑いを返した。すると、「体はね(笑)」と流され、やっぱりチクリと痛かった。
「じゃあ落ち着いたらまた」と、2人は帰って行った。

走り去る車を見送って、家に入り、玄関の鍵を閉めた瞬間に、泣き崩れた。
ふざけんな。まず謝れよ!!「意外と元気そう」「旅行でも行ってきたら?」どの口がそんなこと言えるのでしょうか。周りの人は言ってもいいけど、あなたたちはダメじゃないでしょうか。あなたたちが私を追い込んだんですよね。例えば「ちょっと業務が偏り過ぎてしまったね」とか「やっぱり新しい人を採用しないとキャパがいっぱいだよね」とか、そういう言葉は思いつかなかったんですか。
自宅訪問は誠意ある行動だと素直に思ったけど、形だけだったんだなと思わざるを得ない対応だった。

――あのとき、はらわたが煮えくりかえるほど悔しくて、人生で1番と言えるくらい怒り狂って泣いたんです。日記にぶちまけて少し落ち着いた感じでした。

事態を俯瞰して見る。すると分かってきた現実

あれから月日が経って、今、あの悔しさは少しずつ癒えて、感謝へと変わりつつあります。私もいつかは会社に謝らないといけないと思っていたんです。そのあとは一度も会社に顔を出さず、デスクの荷物は家に送ってもらい、退職の手続きも駅のカフェでやってもらいました。とても不誠実な退職の仕方をしてしまったことには申し訳ないとずっと思っていました。
育ててもらったし、教わったことが今の仕事にも本当に役立っていて、出会えたことにむしろ感謝しているからです。
あのときは、ごめんなさい。仕事をさせてくれてありがとうございました。

それにね、私気づいてしまった。「私は誰にも傷つけられない」んだと。
私は会社に傷つけられたとずっと信じてきたんだけど、そんなものは私が「傷つけられて当たり前」であれば、何かうまくいかなくても言い訳に使えるんだってことを。「便利だから傷ついたふりをしていただけだ」って自覚しちゃったんです。誰も悪くなかったわ!と。

それから、少し大人になったのでもう少し深く考えてみると、あのとき社長だって、自分の会社の社員が鬱になるなんて、多分初めての経験で、どんな顔をすればいいか分からなくてヘラヘラしちゃったんだと思うんですよね。場を繋がなきゃと、思ってもいないような言葉が口から飛び出してしまったのかもしれないし、周りから見て「うまくいってますよ」って思われたかったのかもしれない。
事実としては、私たちは雇用契約を解除しただけなんです。もっと人間同士の感情でぶつかり合って、そこからまた積み上げることもできたかもしれないけど、それをお互いしなかった、ただそれだけ。おあいこでした。
自分が“劣っている”とか“足りない”とか思う必要は全くなくて、社長だろうが平社員だろうが、初めてのことにはヘラヘラしてしまうものなのかもしれないと納得しました。「本当は対等の世界なのに色眼鏡(社長は偉くて、平社員は劣っているなど)をかけているのはむしろ自分」だということを教えてもらいました。

あの頃の経験が今の私を作っているという感謝

私は当時の会社への謝罪はもちろん、あのときヘラヘラしてしまった自分にも謝りたいと思っています。「嫌われたくなかったんだよね。だけど、自分を大切に扱ってくれない人に好かれなくてもいいんだよ。嫌だと思ったら嫌だと言っていいんだよ」って言ってあげたい。
本当の気持ちを誤魔化してごめんね。この出来事からいろいろ学んでくれてありがとう!もう誤魔化さないよ!
けれども結果、人生の糧になっているので、もう全てに感謝しています!本当に最高の出来事でした!ありがとう!ありがとう!ありがとう!

最後に、自分の内面と仕事のキャパを改めて見つめ直すために、また日記を広げよう。
そして、仕事量を調整してくれる今の会社と上司に感謝して、明日も出勤しようと思います。