振った、振られたというのは、勇気を出してきちんと気持ちを伝えた結果であると思う。だから、この投稿に対して実は、振られたという枠にはめるのは失礼なのではないかと思う自分もいる。

ただ、この“振った・振られた”という文字を見た時に思いついてしまった人がいる。それだけで、書く理由としては十分だった。

振られた帰りにマッチングアプリで出会った「同じ年の彼」

彼とは、一度も会ったことがない。でも、私の人生の中で本当に綺麗な思い出となっている。なぜなら、彼は出会いからずっと本当に私の支えとなってくれていたからである。

出会いは、働き出して2年目。小学校教諭として、かなりキツい年配女性2人と組まされていた。仕事の器量がよくないこともあり、毎日キツく怒られて、何か癒しが欲しかった私はマッチングアプリを使って出会いを求めた。

そこで出会った、1つ年上のなつきさん。彼をその当時、結構好きになって、大阪から岡山へ追いかけて会うほどだったのだが、呆気なく振られて終わった。

その帰りにマッチングアプリをポチポチしてて「あ、この人同い年だ」と思ってlikeの方へ写真をシュッとスワイプした。これが、振られた帰りに彼と出会うきっかけとなった。

岡山にいなければ、出会う範囲を広げていなければこの出会いはなかった。なぜなら、彼は島根県出身だったのだ。

彼と電話で話すことで、日々のストレスも和らいでいった

彼は大学生って感じで、とにかくノリが良かった。こちらも振られてすぐなので、友達でいいやって感じですぐに打ち解けた。大阪人よりもノリがいい彼に日頃のストレスも和らげてもらっていた。

彼は東京で働いていて残業続きの毎日。さらに、年越しでも会社にいるほどの社畜ぶりだった。それでも電話をして、お互いの愚痴を聞き合っていた。大泣きしても引かずに聞いてくれる彼の優しさを感じて頑張っていた。

しかし、その1ヶ月後の2月に私は精神的に限界で仕事を休んだ。その事をしばらくは伝えられずにいたが、やっと仕事を休んでいることを伝えることができた。

そんな時、向こうが突然今週の日曜日に「会おう」と言ってくれた。すごく嬉しかった。
ユニバ? ご飯? 私は、休みにも関わらず胸が躍った。あの、彼に会えると。

どんな顔? 身長は? 声は電話で聞いてるけど、本物は同じなのかな? 何を話そう…。ドキドキして、あまり眠れないほどだった。仕事を休んでるのにな…という罪悪感もないわけではなかった。

彼と初めて会う…予定だった。でも、私は「振られて」しまった

しかし、彼と会える事はなくなってしまう。会う前日、彼のおばあちゃんが亡くなったと聞いた。それで会いたいのに「それはおばあちゃんのほうを優先してあげて」と言ってしまったのだ。

それがきっかけで「もういい」と言われ、当日「会いたい」と言ったが「仕事で社長とゴルフする予定入れたから」と断られてしまった。

振られてしまったのだ。これを機に、ほとんど毎日していた電話がぱたりとなくなった。その後もふと思い出した時に連絡を取ったが会うことはなかった。

現在、私は結婚をした。もちろん、彼ではない。このエッセイを書いていて彼の名前をフルネームでFacebookやTwitterを検索するが、なくなっていた。LINEももう記録すら残っていない。彼に連絡を取るすべすらなくなってしまった。

でも、あの当時、本当に苦しかった私を笑わせてくれた彼には感謝しきれない。来世では、親友になりたい。いや、あわよくばデートをリベンジしたい。