「結婚、どう思う?」
このテーマを見たときに、元彼と、今の旦那のことが頭に浮かんだ。
元彼とは高専の同級生だった。一目ぼれで話していて楽しくて頭が良くて、高専時代から付き合って私が先に社会人になって、そして5年目に別れた。5年と1か月と6日目。
元彼の誕生日だって付き合って別れた日数だって好きなキャラクターだって20歳のお祝いに渡したプレゼントだって、そんな些細なことも、3年経つのに忘れられない自分が憎らしい。
高専時代のお付き合いというのは青春で、今でも忘れられない思い出で、そして傷跡だと思っている。
好きで、好きで、好きで、でも結婚したいな、とは思えなかった。10代の私にとって結婚はまだまだ遠い未来の話だったのだ。結婚出来たら良いな、とは思った。挙式や披露宴には同じクラスの友達や先生も呼んで、みんな笑顔で、ひそかに元彼の苗字と自分の名前を書いてみたりして。そのぐらいぼんやりと、結婚について考えていた。
飲み会の帰り道、電話で聞いてみた。私のことをどう思っているのか
今でも忘れられない、付き合って5年と1か月と6日目の夜。
私は飲み会の帰りで、終バスをなくして歩いて帰るのが心細くて電話した。5年付き合っていると、情なのか好きなのかよく分からなくなって、不安で、お酒の力もちょっとだけ借りて聞いてみた。
「私のこと、もうそんなに好きじゃないなら、早めに言ってね」
冗談半分だった。でも本気だった。本気で不安で、元彼が私のことをどう思っているのか知りたかったのだ。
「今でも尊敬している。でももう付き合えない。騙している気持ちになる」
元彼が泣きながら言ったその一言に「ほらね」と思う私がいた。いつだったか、元彼が私に「別れようって言うのは、君からだと思う」と言ったのを思い出した。そんな自信はどこからくるのか?好きで好きで、でもだから別れようって言えないのは私だと思っていた。
泣きながら「別れよう」と言った元彼に「別れたくない」なんて言えるはずもなく、終わりは突然に訪れた。元彼とは、結局電話1本で別れた。それから、一度も会っていない。
出会いの場に出掛けては「元彼の方が優しい」思いだして泣いていた
別れてから今の旦那と出会い、結婚するまでの期間はたった3年だった。でも、されど3年だった。別れて、周りには「5年ぶりのフリーなんだ!」と気丈にふるまったけれど、内心はぼろぼろだった。
せめて、最後に会えたら良かったのに。「会ったら辛くなる」そんな電話口での元彼の言葉を真に受けて、会わずして別れた方が後々尾を引いてしまった。付き合ってきた5年間を、電話一本で終わらせてしまったことをとても後悔した。
最初の1年間は元彼を思い出すのが嫌でひたすら出会いの場に出かけた。街コン・趣味コン・友達作ろう!系のイベントで異性と出会っては、元彼の方が優しい、元彼の方が話していて楽しい、元彼の方が…と比較しては思い出して泣いていた。
洗い物をして、話を聞いて、甘えさせてくれる。彼と結婚して良かった
今の旦那とは、私が仕事終わりに行った街コンで出会った。
話していて、いいな、と思って、一緒に出掛けて、もっといいな、と思える人だった。フリーだった期間は1年弱だった。
あんなに元彼が好きで他の人と付き合うなんて考えられないと思っていたけれど、もっと好きな人に出会えて、惹かれあって、付き合って。そしてプロポーズされて、入籍した。
私はいま、結婚して、たくさんの幸せをかみしめている。
朝、隣に好きな人がいること。洗い物が苦手だと伝えると、毎回率先してお皿を洗ってくれること。私の料理を、毎回美味しいね、と言って完食してくれること。私が突然泣いても面倒臭がらず、泣き止むまで隣にいてくれること。話を聞いてくれること。甘えさせてくれること。
挙げたらキリがないけれど、私は今の旦那と出会えて、私のことを好きになってくれて、そして、結婚して本当に良かった。