お勉強が出来るのと、勇敢さが両方備わることがなかった。
それが彼を振った簡単な理由。

彼氏は甘えさせてくれるものだと思っていた

彼氏が欲しいばかりに自分の好きなタイプを押し殺して彼と付き合っていた。私は当時19歳にもなって彼氏ができたことがない、ということに焦りが出ていた。
当時はまだ今ほどの流行ではなかったマッチングアプリで私達は出会い、2度のデートののちに付き合うことに。
聞き馴染みのない関西弁を話す彼は私の目にはとても魅力的に映り、最初のうちはそれなりに楽しい日々を過ごしていた。
頭が良い人だったので知らない事を教えてくれたりして、そこにキュンとした時もあった。

だが、何かが理想と違うなと思っていた。

私の両親に会った時もナヨナヨとしてありがとうの一つも言えず、私の影に隠れる。そのほかにも7つも年下の私にベタベタと甘えてくる。
彼には強さ、勇敢さが欠けていた。
私の理想が高いというのもあるとは思うが、こちらが甘える側でありたかった。何かあった時に支えてくれる人が良い。
周囲の友達の情報によると、彼氏は甘えさせてくれるものだと思っていた。

でも私の彼はお金に困るわけでもないのにクーポンを何枚も持ち歩くわ、店員に態度悪いわ、2人の時は「膝枕して」と言ってくる。

あれれれれ?
相手から婚約指輪を貰ってしまった段階で、彼の行動を振り返って嫌気がさしてしまった。
私、勇気を出して振る事を決めた。

甘えられた時の生理的嫌悪感。強い男がいいという理想

決戦の日は暑さ際立つ8月の後半だった。
デートから1週間後に電話をかけた。彼はすぐに出てくれて、私はすぐに「ごめん、○○くん。突然なんだけど、別れたい」と話した。
彼は明らかに動揺していた。声が震え、段々と鼻声になり泣き出した。
「どうして?俺じゃダメなの?」
「うん、そういう風に泣くところとか…」と私は強めに突いてしまった。
すると更に泣き喚き、ヒートアップしなかば半狂乱のようになっていた。
これが電話で良かったと思った。直接会ってたら殺されていたのではないかという恐怖がよぎる。
「じゃ、そういうことだから…」とあっさりと電話を切って、その後LINEをブロックした。
きっと見る人が見たら、私が鬼畜で酷い女にも思えてしまうと思う。
でも私は自分の本心に気付いてしまった。甘えられた時の生理的嫌悪感。強い男がいいという理想。
強制的に別れるほかなかった。
お勉強が出来るだけじゃ、お金があるだけじゃ恋愛はダメだと思い知らされた。

これからは自分の「感覚」に沿って恋愛をしていこう

それから数年が経ち、強くて優しい人に出会った。
店員にも平等に優しくしてくれて、お店でもリードしてくれる。
でも付き合ってはいない。ちょっとキュンとしただけ。そこがまたいいってもんだ。
この人と付き合うかどうかは別として、これからは自分の「感覚」に沿って恋愛をしていこうと思う。
本心は正直なもので、絶対に逆らえない。
私は彼を振ったことにより、結果的には自分の幸せにつながった。

あのまま我慢していたら今頃結婚して、夫の愚痴垢を作っていたかもしれないと思うと、ちょっと寒気がする。