私は高校三年生の時に、人生初の彼氏が出来た。私は男子バレー部のマネージャーをしていて、彼は他校の男子バレー部だった。
出会いのきっかけはTwitter。高校一年生の時に彼からフォローされ、DMが来たことがきっかけだった。

お別れの時間に泣きそうになる私に「信じて」と彼は言った

LINEを交換したが、会うわけでも電話をするわけでもなく、その時はただ友達としてLINEをしていた。転機が訪れたのは、高校三年生の夏。彼の恋愛相談に毎日乗っているうちに彼のことが気になっていった。
彼は「彼女と別れたい。」と言っていて、私は背中を押してしまった。今思い出しても悪い女だ。そのまま彼は当時の彼女と別れ、私と彼の距離は急激に縮まった。
毎日電話をするようになり、休日は会って遊ぶようになった。
しばらくして、私は彼に告白し付き合うようになった。私は人生初の彼氏にとても舞い上がっていた。
この地球上でいちばん幸せだとも思った。彼も私をとても大切にして愛してくれた。

私もいい女になろうとたくさん努力した。ダイエットやお化粧の研究、徹底したスキンケア、たくさん頑張った。
彼は束縛されるのが嫌だと言っていたので、束縛もしなかった。「女友達と遊んでもいいよ、でも遊ぶ時は教えてね」という約束もした。
そして、彼は決まって別れ際、私に真っ直ぐな瞳でこう言っていた。「信じて」と。
私たちは他校な上、彼が強豪校の選手で会える時間が少なかったから、いつもお別れの時間に泣きそうになる私に向かって言ってくれていた。
だから私はずっと彼を信じた。不安な時もこの言葉を思い出してずっと彼を信じていた。

私への気持ちはもう無いんだと直感で感じた

しかし、この関係はずっとは続かなかった。
4ヶ月が過ぎた頃、彼は時々私のことを「めんどくさい」と言うようになり、私に対する扱いが雑になっていった。
それでも私は彼のことが大好きだった。しかし私の気持ちとは反対に、彼はなかなか会ってくれなくなり、LINEの返信も遅くなった。
そして私は覚悟をし、彼に「明日駅前で話そう。」と言った。この時の私はまだ彼のことを信じていて、きっとやり直せる、またあの頃みたいに戻れると思っていた。

次の日、会った瞬間にわかった。彼の私に対する瞳が今までと違うこと。あの頃の私を熱く見つめる瞳はもう無いということ。この人の中に私への気持ちはもう無いんだと直感で感じた。この時の光景は今でもはっきりと覚えている。
それでも私は諦めきれず、「別れよう」という彼を説得し、2週間の距離を置くことにした。
2週間距離を置いたら、また私のことを好きになってくれるんじゃないか、あの頃の気持ちを思い出してくれるんじゃないか、と淡い希望を抱いていた。

その2週間の間は、私は意外にもスッキリした気持ちでいた。彼のLINEの返信を気にして携帯を手放せない日々から解放され、自分の時間を過ごしていた。それでも彼を忘れた時はひと時もなくて、毎日神社にお参りに行って、おまじないをした。彼と別れることを想像し、号泣したこともあった。

今まで何を信じていたのか。思い出が泡になって消えた

そして2週間が経ち、彼から夜中にLINEが来た。長い文が送られてきて、最後の文には「別れよう」と綴ってあった。これを見た時の私は、号泣するでもなく怒るでもなく、意外と冷静だったのを覚えている。
きっと心のどこかで別れることをわかっていて、心の準備をしていたのだろう。すぐに今までの彼との写真を全て消した。

「最後に電話しよ」私は彼にそう言ったが、なかなか頷いてくれなかった。きっと復縁を迫られると思ったのだろう。なんとか彼にお願いし、最後の電話をした。
その最後の電話で「君が信じてって言うから、私はずっと信じてたんだよ」と言ってやった。
彼は「そんなこと言ったっけ」。

拍子抜けした。私は今まで何を信じていたのか。なんのために頑張っていたのか、わからなくなった。今までの思い出が泡になって消えたように思った。
こうして、私の高校三年生の恋は終わった。決して美しい終わり方ではなかったが、私にとっては大切な甘酸っぱい青春だったのだ。