あの人に見合うためならなんでもした。
あの人の隣に居るために努力し続けたけど、気付いたら私はあの人が今まで付き合ってきた女性の中で最低な女になっていた。
どうして彼の心に気づけなかったのだろうか。
どうしてこんな結末になってしまったのか。
寂しいです。会いたいです。
また私を笑わせて欲しい。
また一緒に笑い合いたい。
今まであなたの運転する車の助手席で見た景色、全部覚えてます。
あなたに言われて嬉しかった言葉、全部覚えてます。
二人で最後にデートをした日、車でキスをした後に「はい」と言って渡してくれたプレゼント、今も大切に使っています。
「時を刻む」って良い言葉だよねとプレゼントを渡した後に言っていましたね。
私はあなたと一緒にいる時間をもっと刻みたかった。

フランス映画、美術館、改札。全てあなたの優しさを思い出してしまう

珈琲を飲みながら喫茶店で別れ話をした時、一緒にいて辛いと言われて物凄く悲しかった。
本当は別れたくなんてなかった。
惨めだったとは思うけど、最後まであなたにとっていい女でありたかった。だから「別れようか」と一番言いたくない言葉を選んだ。
その言葉を聞いて、あなたは少しほっとしたような顔をしていたのは気のせいでしょうか。

あなたと付き合う前までは、自分で自分を満たせていました。でもあなたを失った今、何をしても心の水が湧いてこない。満たされない。

この間、まだ付き合っていた頃にあなたと一緒に見に行きたいと思っていた映画を一人で見ました。人魚が恋の喜びと辛さを知る可愛らしいフランス映画。
人魚が海へ帰るシーン。
あなたが隣にいたらきっと手を握ってくれていたのかな。

私は素敵な感性を持っていたあなたと美術館に行くのが大好きでした。作品を見た後のあなたと感想を話しながらご飯を食べたり、美術館の周りを歩いた時間が恋しい。
私ひとりで行っても全然面白くなかった。

あなたを駅まで送る時に改札の前でハグをしていたけれど、今その改札を通るとあなたの温もりを思い出して凄く苦しい。

ふとした時にあなたの優しさを思い出してしまう。

幸せな時間はまた現れても、あなたと過ごした時間はもう二度と来ない

紅葉を見に行った時、急に小雨が降ってきたけれど傘を持ってきていなかった。
偶然にも車の中に人ひとりしか入れないくらい小さな傘が見つかった。あなたはその傘に私と一緒に入るため、私の肩を抱いて二人で寄り添うように歩きましたね。付き合いたてだったから私は恥ずかしくて俯きがちだったけれど、あなたのコートが濡れていたことに気付いてなんだか嬉しかった。

仕事帰り、満員電車の中自分は座っていて、近くにおばあちゃんが立っていたけど疲労で席を譲ることができなかった。正直普通の人ならそれくらいのことで落ち込んだりしない。でもあなたはその話をしながら凄く悔やんでいた。そんな優しくて繊細なあなたを見て私はますます好きになった。

幸せな時間はこれから先たくさん現れると思う。
でも、あなたと過ごした幸せな時間はもう二度と来ない。

良かれと思って自分を信じて取っていた行動が結果的にあなたを傷つけることになってしまった。自分で幸せな時間を壊して大切な人を傷つけてしまった。
今更ですが、後悔しています。
許してとは言いません。
でも私は未だにあなたのことが大好きです。

今もあなたを思い出してしまうけど、貰った腕時計は容赦なく時を刻む

朝、布団の中で失恋ソングを聞いては泣いて出勤するという日を繰り返している今、あなたも同じように私を思い出しているのでしょうか?
きっとあなたは私のことなんか忘れて、仕事に没頭しているんだろうな。

ひとりじゃ居られないあなたは、きっとまた次の相手を見つけるんだろうな。

私はまだ先へ進めません。
初めて好きと伝えたその日から私の場所は変わっていません。

だからお願い。
戻って来て欲しい。

ここのところそんなことばかり考えているけど、あなたから貰った腕時計は容赦なく時を刻むのです。