コロナで多くの人が亡くなったり、医療関係の方が大変な思いをされている状況で、たいした苦労もしていない女子大生の愚痴なんて言うべきじゃないとも思うけど、どうか少しだけ許してほしい。

「あなたにおすすめ」の枠を超える新しい出会いはなかった

昨年の授業はほとんどオンラインだった。前期に至っては学内立入禁止で、後期に一部対面授業が再開されたけれど、週に一コマだけだった。大学に行かないからって暇なわけじゃない。日中はオンライン授業がみっちりあって、それ以外の時間も課題に追われ、たった一人でパソコンのモニターに向かって、ずっと作業しているだけの毎日。

息抜きしたくて外に出ようものなら、冷たい目が向けられる。当時の世間にとって、若者の外出は圧倒的に悪だった。ただ部屋に閉じこもって、一人で過ごすしかなかった。

恋人なんかできるはずもない。参加していた企画も軒並み中止で、新しいことは何も始まらない一年間だった。時間だけが過ぎ去っていく。動画配信サービスや電子書籍のおかげで、新しい作品に触れることはできたけど、「あなたにおすすめ」の枠からはみ出して完全な新規開拓はできなかった。

だって誰にも会えないから、何かを始めようと思うきっかけとなる刺激が全く得られない。普段の友人たちとの会話がどれだけ貴重なものだったかを思い知った。

普段ならば顔を合わせるたびに他愛のない話をして、最近好きなものとか、気になっているものを教えあって新鮮なものをもらっていたけれど、それが全くなくなってしまった。

SNS上での繋がりはあったから完璧な孤立ではなかったけど、タイムラインに流れてくるのは、リモート生活に対する不満や課題の悩みばかりで全然楽しい話題はなかった。

小・中・高は対面が再開されているのに、なんで大学だけオンラインなの?

Twitterで大学生の現状を描いた絵日記にものすごく共感したんだけど、「この状況でもやれる人はいる」とか、「つまらないのは自分のせい」などの厳しい言葉ばかりが浴びせられていて、私は「世間に大学生の味方はいないんだな」と絶望した。もちろんすべての人がそう思っているわけじゃないけど、孤独の中で過ごしていると、非難の言葉ばかりに注目してしまう。

最近になって世の中の大学生がつらい思いをしていることに、少しずつ関心を持ってもらえるようになったけれど、状況は何も変わらないまま、来年度もオンライン授業を継続することが大学から通知された。

「大学生になったら素敵な人と恋愛をするかもしれない」
「生涯の友に出会うかもしれない」

そんな楽しい期待が今のままでは持てない。恋愛だって友情だってリモートじゃ足りないよ。大学生活はやっぱり人との出会いが醍醐味だから。私はやりたいことがあって、芸術系の大学に進学したからにはもちろん授業だって受けたい。自宅でもできないことはないけれど、機材も環境も思った通りにできなくて、何のために大学生しているのかわからなくなっている。やりたかったこともわからなくなった。

コロナの感染拡大は絶対に防ぐべきだし、命が最優先であることはちゃんと理解している。だけど、私たちの青春は二度と戻ってこない。恋に友情に学業に、何一つ満足できない生活で、たった一言「来年もオンライン」ってどうなのよ。

小・中・高は対面が再開されているのに、なんで大学生だけダメなの? 部活は許されているのに、大学生が対面で授業を受けることはどうしてできないの? なんで誰も答えてくれないの?