どうしてだろう、マウントをとりたがる女子というのは、どんな場所に行っても現れる。
振り返ってみると、小学校、中学校、高校と全ての段階において、いわゆる、“マウントとりたガール”達に私は悩まされてきた。
おしゃべりが下手だから、マウントとりたガールの標的になってしまう
彼らは、自分や自分の家族、自分の周りの人がどのような生活を送っていて、どんな素晴らしい趣味を持っていて、どんなに性格が良くて、どんな偉大なことを成し遂げたのか、聞いてもいないのに勝手に話し続ける。褒めても、褒めても、止まる気配など全くなくて、とにかく生活のクオリティの高さを見せつけてくる。
そんな彼女達に振り回されて、自分が惨めになって、辛い気持ちを抱えるのはもうごめんだ。大学生になって、ようやく立ち向かうことを決意した私は、まず“マウントとりたガール”の傾向を分析し、自分なりの対処法を考えてみた。
そもそもなぜ、私は“マウントとりたガール”の標的になりやすいのだろうか。その理由は多分、私のおしゃべりが下手くそだから。友達と会話をしているときに、話したいことがあっても、それを頭の中から言葉にインプットし、セリフとして組み立てることが下手だ。そのせいで話題がコロコロ変わっていくと、全くついていけない。おしゃべりのテンポが上がっていくにつれ、私の思っていることや言いたいことを挟むことが難しくなり、相槌を打つだけで必死になってしまう。
だから私は、相手の言うことを全肯定する癖がついてしまった。会話へのレスポンスが上手くできないことで、「この子全然話聞いてないじゃん」と不快な気持ちにさせてしまうのではないかと、怖くなり、それを防ぐためにとりあえず相手を肯定して、賞賛の言葉を吐き出し続けてしまう。こんな状況の私は、マウントをとる相手としては、ピッタリだろう。
“マウントとりたガール”側から見た私は、自分の意見に絶対に口を挟まない、おとなしくて従順で、話を聞き続け、最後には必ず肯定してくれる、超都合の良い話し相手なのではないだろうか。
いうならば、白雪姫の継母が毎日話しかけている、“魔法の鏡”のようなものだ。だから彼女達は私に、自分語りを繰り返すのだという結論に辿り着いた。これを踏まえ、私が考えた、彼女達にマウントをとられないようする方法は主に二つ。
私が考えた「マウント」をとられないようにするための2つの方法
まず一つ目。マウントばかりとる、つまり自慢話ばかり繰り返してくるような相手に、本気で反応しないこと。“マウントとりたガール”は、肯定されればされるほど、「もっと褒めて、もっと私を認めて、もっと私を尊敬して」と、際限なく私からのポジティブなレスポンスを求めて、話が止まらなくなる。
要するに、初めから彼女達の話に「聞くのは構わないけど、そんなに興味がありませんよ」という態度を見せないと、簡単に標的にされてしまう。だから話に相槌を打つところまでは、礼儀として行うけれど、ひたすら“マウントとりたガール”を褒めることをやめてみた。
まだ効果は実感できていないけれど、相手ばかりを肯定することをやめたことで、私の中にあった「自分なんて本当に何にもできない人間だ…」というネガティブな気持ちが薄くなった。
おそらく今までの私は彼女達を褒めることと同時に、自分を下げる癖がついていて、そのせいで自己肯定感が駄々下がりしていたのだと思う。これだけでも少し改善したことで、生きづらさが軽減した。
二つ目は、私も自分の話を思い切ってしてみること。私が何も話さないことで、彼女達が会話の主導権を握り、私はいつも聞き手に徹することになってしまうのだから、私も自分のことをもっと話してみれば、聞く時間が減るはず。これも現在進行形で実践中だ。
ただ、咄嗟に話したいことを言葉にするのは相変わらず苦手なので、時間がかかってしまう。けれどここで怖がっていては、状況はいつまで経っても変わらない。勇気を出して、言葉が出てこないことを相手に伝えてみた。
少し待ってほしい時は、正直に「あーちょっと待って、何か言おうとしてたんだけど私」と笑いながら言えば、意外と相手も「えーなにー」と言いながら待っていてくれる。そして、同時に「私も聞き役だけじゃなくて、話し手になりたい」という意思表示にもなり、結構彼女達の会話のペースをスローダウンさせることができると、最近実感している。
自分が今までマウントされて感じた辛い気持ちを、他の人に負わせない
以上の二つが私なりのマウント対処法だけれど、それ以上に“私も彼女達に対抗してマウントをとる”という行動に絶対に出ないということが、一番大切なポイントだと思っている。
自分がマウントをとられて不安になったり、悲しくなったり、辛くなったからといって、その鬱憤を他の人にマウントをとることで解消してはいけない。絶対に。
自分が今まで感じてきた辛い気持ちを、他の人にも負わせてしまう事になる。“人のフリ見て我がフリ直せ”、“人にされて嫌なことは、絶対にしない”をモットーに、今日も、明日も“マウントとりたガール”に立ち向かっていきたい。