周りと自分を比べてばっかりだった私が少し変われた理由
何かするときは必ず、みんな何かの基準を持っていると思う。例えば勉強では、○○くん、○○ちゃん(友達など)よりもできた、またはできなかった、といった経験は、誰にでもあるのではないだろうか。
私もその一人だ。そして私は、他人と比べるのがくせになっている。
「今回はあの人よりできた」
「今日は何もできなかった。あの人はこんなにやっているのに」
そう考えて一喜一憂することが多かった。
しかし、ある時、人に言われた言葉が、私の比較癖を緩めてくれた。
「比べるのは、過去の自分とだけでいい」
そう言ってくれた人がいた。私の心にはぐっとささって過去の自分を振り返ってみようと思った。
幼少期と比べて今の私は成長しているのか。高校の進学で自己否定が始まった
私の幼少期は甘えん坊だったらしい。幼稚園に入ったころから水泳、ピアノを習い始め、小学生では毎日何かしらの習い事に行っていた。楽しかったものもあれば、やめたいと毎日思っていたものもある。
その中で、もっとも続いたのはピアノだ。ピアノは今でも習い続けている。
中学に上がると、毎日部活三昧の日々を送っていた。支部大会(全国大会のひとつ手前の大会)に出場できるほどの実力のある部活だった。ここまでの自分を振り返ってみると、今ではこんなハードスケジュールはこなせない、と思う。
一方で、これらのことをやっていた自分が少し誇らしくも感じる。今の私は、「この時の私より成長している」と胸を張って言えるだろうか。
高校は、地元では有名な、進学校に入学した。周りの人たちは皆自分より賢く見えた。自分の取り柄だと思っていたものが、すべて崩れていくのが分かった。
そこから、強い自己否定と大きなコンプレックスを抱えることになってしまった。自分たらしめるものが、そのとき、崩れてなくなってしまったのだ。
過去の自分と今の自分。よく振り返ってみると、ちゃんと成長していた
私には、障害がある。病気が分かってから今まで、他人と比較しては落ち込むことが多かった。「ああ、私にはこんなこともできないのか」と。ほかの人が当たり前にできることが、私にはできない。そのことが私の自尊心をくだいていって、私は自己否定のかたまりとなってしまった。しまいには、自分を否定することでしか、自分を安心させることができなくなっていた。
しかし、病気になったばかりの頃の自分と今の自分を比較してみると、その時よりは確実にできることが増えている。第一に、自分の病気を受け入れられる。さらに、自分についてよく理解している。他人と比べて何もできないと落ち込んでいた私だったが、こんなにも大切なことができるようになっていたのだ。
病気が分かったのは高校生のときだった。病気の症状で電車にも乗れず、教室にも入れなかった。1日3食食べるというごく当たり前の生活すらできなかった。夜寝て、朝起きる、ということもできなかった。ごく当たり前の生活ができていなかったのだ。今でも、できない日はあるが、それでもできる日が増えつつある。
私は、昨日の自分よりも着実に、そしてほんの少しずつ成長し続けている。