私は旅行が大好きだ。
10年ほど前、高校一年生だった私は、初めて飛行機に乗った。学校行事でオーストラリアの姉妹校に約1ヶ月間の短期留学の為に初出国を果たした私は、LCCの飛行機ではあったが初めての海外、初めての飛行機、気持ちがとてもワクワクしていた。

自分で頑張って稼いだお金を使い、初出国した高校生の私。初海外にウキウキしていた。

渡航費を稼ぐ為にバイトだってたくさんしたし、お年玉だってずっと貯めていた。自分で頑張って稼いだお金を使い、初めて海外へ出国する。
それもあってか初出国当日、私は機内で何をして過ごそう、機内料理は何が出てくるか、空の天気は大丈夫かな、着陸時間に遅れないかな等、とにかく飛行機の中での出来事しか考えていなかった。

飛行機が離陸するのを体感した瞬間、私はやっと外に出られるのだと実感した。怖いだとか耳鳴りがするだとか、日本にいる家族と離れ離れになってしまうだとかいう寂しさは微塵も感じなかった。それよりも初海外に何よりもウキウキしていた。

行きの飛行機では約7時間、友達とくだらない話をしていたり、機内が暗くなっても明りを灯してトランプをしたりした。騒いでいた私たち小娘に対して、隣に座るおじさんから夜中怒られた記憶も忘れない。

飛行機でのハプニングで無駄になった自分のお金。自分に対する害は一生忘れられない

大学時代には英語以外も学ぶために渡欧した。1年間程過ごしたドイツでは、隣接国と陸続きという事もありほとんどの旅行は電車かバスであったが、少し遠くに行く為に飛行機もたくさん乗った。50回は乗っただろうか。

飛行機を使っての旅行では、何度もハプニングややらかしは起きた。チェックイン時間に遅れてしまいその飛行機に乗れず、無駄な出費となってしまったこと。詰め詰めのスケジュールを組んでしまったが為に飛行機が欠航してしまったが、どうしてもその日帰らなければいけなかった為、追加で10万円程払って当日券を購入して余計な出費となったこともあった。何十回も飛行機に乗っていれば、さすがに慣れただろうという気の緩みからこのような失態を犯してしまい、何度も反省した。

何よりも痛かったのは、その無駄になったお金は全て自分のお金であった為、着々と貯金が減っていき、旅費以外に使う自由なお金が消えてしまったことだ。自分に対する害は一生忘れられない。だからこそ次は気を付けなきゃと身が引き締まる。そんな経験が出来るからこそ私は旅行が大好きだ。

旅を通して得られる苦労。自分のお金で積んだ多くの経験が、私の強みとなっている

無駄な出費、余計なお金、過度な労力、飛行機を使えば使うなりのお金と時間そして体力が必要ではある。自分の足で行く旅行は計画から自宅への帰路まで自分で考える為、毎回より良い旅行が出来て、自分自身が成長していると実感する。

よく「可愛い子には旅をさせよ」という諺があるが、まさにその通りだと思う。旅を通して、サバイバル力や自立心は芽生えると思う。
私はその諺の意味を、飛行機を使っての旅行から体感した。自分で稼いだお金で航空券を買い、たくさんの国へ自費で旅行し、酸いも甘いも多くの経験を積んで、それが今では私の強みとなっている。人生の豊かさとは人それぞれではあるが、私は旅から得る苦労も人生の中で欠かせない1つの要素だと考えている。

私の知り合いの港区女子は、港区女子グループで世界各地の「映えスポット」を周り、彼女がよく行く短期留学では他のクラスメイトとは別にビジネスクラスを選んで飛行機に乗ると言う。
そして、世界各地へ旅行する際には欠航が少ない有名な航空会社を必ず使うと言う。勿論、全て彼女のご両親からのお小遣いで。

ここからはただの港区女子に対しての嫉妬や妬みとしてしか聞こえないかもしれないが、自分のお金を使わず自分の意志は無視して友達優先、周りの目を気にしての旅をすること。それは果たして楽しい旅、有意義な旅と言えるのだろうか。

コロナ禍に入り、私は久々にその港区女子と会って一緒にランチをした。
中々旅行に行けなくなってしまったと嘆く彼女はこう言った。「また旅行行きたいな…」
私はこう返した。「だったらまずは、稼がないと!」
彼女は困惑した表情で、俯いた。

『可愛い子には「自分の金で、自分一人で」旅をさせよ』こんな諺があってもいいのかなと常日頃感じる。