「そんな作品みるなんて意外だね」と言われることが多い私

「この作品をみた」「この音楽をきいた」と友達に言うと、「そういうジャンル嫌いそうなのに、意外だね」と言われることが多くなった気がする。
何個か気づく点があるとすれば、ひとつは、私の好きなジャンルを知ってくれている友達がいること。ひとつは、私の好きなジャンルに偏りがあったこと。ひとつは、好きなジャンルだけでは私のお腹は満たされないということだ。

何度かそういう事柄を言われると、もう自分が意外だと言われる作品の傾向が分かってきた。
映像や小説言えば恋愛モノ、大衆アニメ、音楽で言えばラップ、バンドなどだ。

今まで映像や小説はミステリー、サイコパス、人間関係ドロドロ系のもの、音楽で言えばアイドルの曲以外軽蔑していた。同じ作詞家のものしか聴かず、私はこの人によって形成されていると信じていた。

「井の中の蛙大海を知らず」状態に似ていた。その人を卑下しているわけではないけど、明らかに大海は知らなかった。もっと早くに気づきたかったな。
話しながら、(これは意外と言われるな)と思うと、百発百中で言われる。いかに自分が今まで偏ったジャンルを好んできたかが分かる。

反抗する気持ちと、自分が自分ではなくなる恐怖を感じることがあった

ちょっと前まで意外だと思われるのが恥ずかしくて、自分の観た、聴いたものを、今まで私が好きと言ってたジャンルモノを見た時だけ友達に伝えて、「やっぱあんたってそういうの好きだよね~」の言葉待ちをしていた時期もあった。

つまらないけど、「意外」という言葉をきくと、「私のなにを知っているんだ」と考えてしまう、ひねくれた感情があったのだ。それと同時に、自分が自分ではなくなっていく恐怖を感じてしまう感情も。

今まで、人からのおすすめも一貫して受け入れなかった。天邪鬼で面倒くさい自分を、とても信じていたのだ。

それまでの自分は、好きなジャンルは偏ってナンボだと思っていた(その考えもまだ否定はしていない)。でも、好きなジャンル以外みないのは違うんじゃないかな、何か学べるものが、面白いと思えるものがあるんじゃないかな?と思うようになってきた。

みんなと違う自分もいいけど、「意外な自分も案外良いかもしれない

なんでそう思うようになったんだろうと考えてみた。今まで気にしたことなかったけど。

それは、4月から社会人になるからかなと思った。
しかも看護師。人と関わる仕事は、色んな人のことを知っておかないと、耐性がつかなくて結局自分が苦しむことになる。今のうちに色んな感情を摂取しようと思ったのかな。無意識のうちに。 ニッチなものを好んでいたようで、やっぱりみんなが良いと思ったものも、好きなんじゃん自分。みんなが面白いと言うだけあるな。「みんなと違う自分」を追い求めすぎていたのかもしれない。

20歳になって、大人になったなんて考えたことなかったけど、自分自身に偏見がなくなってきたのは大きな成長だったんじゃないかなと思う。
「意外だね~」と言われることが多いのは、実はとてもいい事なのかもしれない。
周りからの自分を気にしてジャンルを選ぶの、めちゃくちゃ勿体ない。
それにやっと気がついた。私自身のアップデートを今後もしていこうと思う。