中学生の頃、人の目が気になる私は、ぼっちだと思われるのが嫌で、一人で登校するのが嫌いだった。
中二までは何とか凌いでいたが、中三でクラス替えになり、駅から学校まで登校する友人がいなくなってしまった。
その時、たまたま同じ時間帯に前を歩いていた、友人の友人だったA子と登校するようになった。
他愛もない話をする中で、偶然好きなスポーツ選手が同じであることが発覚し、そこから急激に仲良くなった。
ひょんなことから仲良くなった友人のA子に感謝したいこと。
それは自己肯定感がすこぶる低い私にとって、自信を持たせてくれて、時には励ましてくれる貴重な存在でいてくれたことだ。
部活内カースト最下位だと意識していた私に、A子が教えてくれたこと
ラッキーなことに私たちは同じ高校に進学することができた。
私は運動部に所属することになったが、部活の朝練がない日は、引き続き他愛もない話をしながら登校した。
中学生の間はあまり気にしていなかったが、高校の運動部には女子の間には明確なカーストが存在した。
クラスの中心になるような華やかな女子が多い運動部の中では、服装や顔が地味な私は浮いていたし、彼氏がいない私の部活内カーストは最下位だった。
部活という同じ目標に向かって努力する目的がなければ、同じコミュニティにいることはなかっただろうと思う。
自分がカーストの最下位だと意識しながら高校生活を送っていると、自己肯定感は下がる一方であったが、いきなり交遊関係や服装を派手にしたり彼氏を作ったりすることもできない。
そうやって悩んでいたときに、A子は、「葵衣は勉強も運動もできるし、継続して努力している」、と声に出して教えてくれた。
その言葉で、自分なりにこれまでカースト順位に関係なく頑張っていたことを認められた気がした。
そして「何もかも中途半端だ」と自分を卑下することをやめられ、「何でも満遍なくできる」と考え方を変えられたことで、小さな自信に繋げることができた。
結婚を直接お祝いできないから、この気持ちをこっそりとエッセイで
A子はこの春に小規模な結婚式を挙げる予定だ。
先日彼氏と婚約したと聞いた時は、自分のことのように嬉しくなった。
昨年の夏に結婚式を挙げる連絡をもらった時は、参加を即答したのだが、コロナ禍の影響を受け、さらに規模を縮小させて家族だけで執り行うことになった。
A子とは大学生、社会人になってからも定期的に会い、旅行で親戚宅にお邪魔することもあった。そのときお世話になった親戚方にも改めてお礼の気持ちを伝えようと思っていたのだが、挨拶できなくなってしまった。
何よりもA子の門出を直接お祝いできなくなってしまって、残念な気持ちでいっぱいだ。
直接感謝の気持ちを伝えるのは照れくさくて、結婚式という場でなくては到底無理なので、こうしてエッセイという形でこっそりと昇華させたいと思う。
今の私が存在しているのは、A子の存在や励ましのおかげ
A子、友達でいてくれてありがとう。
A子の存在や励ましのおかげで、私の自己肯定感が地を這うことなく、今の私が存在していると思っている。
私が自信を持てないでいた時期に、味方でいてくれたことには感謝しつくせない。
A子と出会って、私もA子の優しさを見習って、誰かの自己肯定感を引き上げたり、励ましたりできる人になりたいと思うようになった。
小さなチャレンジとして、かわいい、カッコいい服を着ている人がいれば、素直に褒めることを続けている。
これからは先輩を含めどんな人に対しても、髪型や髪色を変えた人がいれば変化に気付き、ポジティブな意見を述べることで、似合っているか不安な気持ちを安心させることを始めたいと思う。