私はこの時期になるといつも思い出す。学生の頃の水泳の授業を。

私が初めて、このルールに疑問を抱いたのは中学生の頃だ。「水泳の授業を2回以上休むと補講になる。月経で休んでも同じ事だ。もし、月経と重なったのであれば、先にプール内に入ってろ。そうすれば休みにはカウントしない」と当時の体育教師に言われたのだ。

生理中も水泳の授業を休めず、もし経血が…という「不安」との闘い

私は正直、めちゃくちゃだなと思った。私の考えでは、生理と重なった場合は見学をしようと思っていた。それが普通だと思っていたのだ。そうなると少なからず、1回は絶対に月経と重なることを予想しながらどうか重ならないように願っていた。だが、その願いは通じず、私の予想は、見事に的中することになる。

10分しかない休憩時間の間に更衣室内のトイレで着替えを済ませ、先にシャワーを浴びてプール内に入る。そして、普段通り授業を受け、また更衣室内のトイレで着替えを済ませる。プール内に入っている時は良いのだが、プールからあがった時にもしかしたら……という不安と闘っていた。

これがとても苦痛だったのだ。ただでさえ、生理中は体を動かすだけでもきつい。歩くのもどうかと思うような日がある。それに私の場合、月経痛も酷かった為、プールの水でお腹が冷えてしまい、次の授業は受けずに保健室で休養していた時もあった。私の友人の中にはタンポンを挿れて授業を受けていた子もいたが、私にはそこまでの勇気はなかった。

そもそも我慢せずに補講を受ければいいのではないかと言われる事もあったが、補講の場合、放課後に全学年の男女対象者が集まり、一斉に補講をするのだ。

この多感な年頃の時期に、私は自分の水着姿を男性に見せる事が考えただけでも嫌で仕方がなかった。その時が、初めてこのルールに疑問を抱いた発端だった。

もう無理して「生理中」に水泳の授業を受けることはないと思っていた

時が過ぎ、高校生になった。高校生になれば、こんな事はないだろうと思っていた。でも、現実はそんなに甘くなかった。

高校では、1回でも授業を休めば補講対象になるのだった。しかも、授業前にプール内に入っておく事もNG、更衣室内にもトイレはなし。補講は中学生の時と同様、全学年の男女対象者が一斉に補講をする方式。補講は受けたくないし、単位も落としたくない…私は、もうタンポンを挿れるしかない! そう思った。

だが、授業中タンポンの事が気になって気になって仕方がなかった。授業どころではなかったのを覚えている。そして、お決まりの如く、授業後は保健室に直行。その時、保健室の先生に言われたのが、「我慢しないで補講を受ければ良かったのに」と。

私は、その時感じた。あ、保健室の先生までもがこれを言うようになったら、この先でもこのルールは変わらないだろうなと。

同じ女性でも「月経は人によって違う」から、最善の解決策を願う

そして、現在22歳になるが、私が中高生の頃に比べると月経への理解が深まってきている様には感じる。大手企業では生理休暇が取得出来たりと、少しずつではあるが変化してきている。

だが、まだまだ理解は足りていないと思う。もしかしたら、今どこかで私と同じ様な思いをしている子がいるかもしれない。同じ女性でも月経の重さは、人によって違う。特に学生はホルモンバランスが安定していない為、バラつきがあると思う。“無知”これが一番恐ろしい事かもしれない。

もしあの時、補講という形ではなく、レポート提出だったら? もしあの時、補講が男女別だったら? 色々、解決策はあると思う。

ただ、理解が“ある”か“、ない”だけで全然違ってくる事を私は学んだ。少なからず、私は周りの理解が足りずに苦労していた。こんなルール、破れたらいいのにと昔も、そして今も思っている。

そして願うのは、私のような思いをする人が一人でも減ること。男性だけではなく、女性も月経への理解を深めていけるよう私も含め、努めていかなければならないと感じている。