私が通っていた中学校は、寒さ対策に関する校則がかなり厳しかった。マフラー、ネックウォーマー、ホッカイロ、ヒートテック、手袋、タイツ、コートなどなど...…登下校時や学内での着用を禁止されていた。

また、寒くても、スポーツをする人が着るようなウィンドブレーカーやナイロンジャケットを着用することも禁止。一応学校のジャージはあるのだが、通気性の良いジャージでは全く防寒にならない。いくら南の島といえど、冬には冷たく強い北風が吹く。そんな天候の中、心許ない学校のジャージで校庭やグラウンドに出るのは本当に辛かった。

寒い中、生徒だけは薄手のジャージー以外「校則で禁止」されていた

当時、中学3年生。私たちの学年は、年末の学校の大掃除のために、校庭に集合させられた。校庭のど真ん中で、学校の花壇運びやグラウンドに出ているサッカーのゴールポストを運び、その他の作業についての説明を受けてから作業に入る。生徒は皆、寒空の下で身体をガタガタと震わせ、体を必死に縮こませながら先生の話を聞いていた。

ようやく長い説明が終わり、作業に入るために動き出す。私は、仲の良い友達2人と温め合うように腕を組みながら、先ほど説明された作業場所へと向かった。目的の場所まで歩いていると、女性教員の声が聞こえた。「そこの女子たち!腕組んで歩くのはみっともないからやめなさい」と隣クラスの先生が言った。

「でも先生、寒すぎて死にそう。こうしてると温かいから許して」私たちは何気なくそう言った。すると、「寒いのくらい我慢しなさい!」先生の顔は本気で、声から怒っていることがわかった。それを言われた私は、ただただ「は?」と固まるしかなかった。

というのも、私たちのことを怒った先生の首元はネックウォーマーで覆われ、長袖長ズボンのウインドブレーカーを着ていたからだ。先生は寒さ対策バッチリじゃねーかっ! と思わずツッコミそうになる。完全防備の人に「寒さくらい我慢しろ」と言われて、「はい、わかりました」と素直に思えるわけがない。

その場を切り抜けるためにとりあえず「すみません」と一言謝り、私たちは腕を離して歩き始めた。全然納得しなかったけどねっ!(怒)

生徒には校則で禁止している一方で、先生たちは防寒対策バッチリ

他の教員もそうだ。生徒には校則で禁止している一方で、先生たちが長袖のウインドブレーカーを着て、ポケットに両手を突っ込みながら「寒い寒い」と言っている姿を冬は何度も目にした。生徒がポケットに「寒いから」という理由で手を突っ込もうものなら、「みっともない」と指導するくせに。

ヒートテックに至っては、「ババシャツ着てるやつはダサいからやめろ」と体育の教員から毎年言われていた。“ダサい”という理由も、よくよく考えると意味不明だ。別にブラウスや体操服の下に着用するから、下着同様で他人には見えない。ダサいも何もなくないか……?

“子供は風の子”といいながら、防寒を禁止する校則はなんなのか。子供でも寒い時は寒い。生徒から防寒対策の手段を奪うのなら、自分たちも一度味わって欲しい。あの寒空の下、通気性の良すぎるジャージを着て校庭に出るという拷問を。

防寒対策している先生が「寒いのくらい我慢しろ」って説得力ゼロだよ

あの時は何も言い返せなかったが、「寒いのくらい我慢しなさい!」と私たちを怒った先生には、ぜひお手洗いにある全身鏡の前で、自分の服装を見てもらいたかった。それか、先生からウインドブレーカーを剥ぎ取り、代わりに私のジャージを着せればよかった。

貧しくて残飯しか食べるものがない人の前で、ハンバーガー食ってる奴が「空腹くらい我慢しろ!」と言ってても何の説得力もないでしょうが! 私たち生徒にとって同じくらいの暴挙だよ、その言葉。

そんな不満を抱えながら、中学を卒業した私。どうか、今の時代に“子供は風の子”などという精神論で、ブラックな校則を強要している学校がないことを願う。生徒たちにも防寒対策の自由を。