私は特撮好きでミーハーな社会人だ。そんな私のちょっと変わった休日は、ドラマや映画のエキストラに参加することである。
現実の世界でヒーローに会う方法。それはエキストラに参加すること
私は自分の住んでいる世界が嫌いだ。いつも怪獣や怪人が現れてヒーローが助けに来てくれないかなー?と空想している。名もなきモブキャラクターでいいから大好きな特撮の世界の住人になりたいと思っている。
そんな願いを叶えられる方法がある。それはエキストラに参加することだ。
エキストラの参加方法もいろいろあって、時には性別や年齢など選考基準があり、それをパスしないと参加できない現場もある。
私が初めて参加したエキストラはファンクラブ経由で募集される、とにかく人数が必要でほとんど誰でも参加できるタイプのエキストラだった。円谷や東映などの公式ファンクラブに入会していると、大人数の逃げる市民が必要な時などにエキストラの募集がある。
報酬はなし。しかし、記念品に表紙が台本と同じ柄になっているノートをもらえたり、撮影終わりに出演者たちと集合写真が撮れたりする。
えー、交通費も出ないんだ……とがっかりして、金欠だし参加を迷った。しかし、目の前でキャストが演技しているところを見られるかもしれないと思うと好奇心が抑えられず、結局参加した。
いつもTVで見ている存在が目の前に! 参加してよかったー!
初回は仮面ライダーの映画でのエキストラに参加した。
現場はとにかくたくさんの人たち、時には1000人を超える人々がいっせいに走ったりするので、怪我などをしないようそれ程スピードを出して走る必要はない。ただ大声でキャーキャー助けを求めなくてはならないので喉が痛くなる。
また、大人数が動くのをカメラでどのように撮影すれば迫力が出るか、何度もテストする。そのため同じ動きを何度もしたり、待ち時間が平気で1、2時間超えることもあり、正直飽きてしまった。
参加は今回だけでいいかな~なんて思っていた時にヒーローは現れた。
本物の仮面ライダーがいる!私以外の参加者たち、特に小さな子供は嬉しそうにはしゃぎだした。怪人も出てきてアクションのテストを始めた。
やっぱり参加してよかったー!と心から思った。間近でいつもTVで見ている存在がいる!スーツアクター(ヒーローや怪人の中に入って演技する俳優)も本物のだ!キレキレのアクションが生で、すぐ近くで見られる!仮面ライダーってこの世に存在したんだなーと感動しきりだった。
完成した映画を見に行ったが、私は切れていて映っていなかった。それでも生でヒーローを目にした瞬間の感動が忘れられず、どんどんエキストラに夢中になっていった。
もうちょっとヒーローたちに近づきたい。せっかくなら映ってみたい。だんだんそんな思いを抱いていった。
休日は、憧れのヒーローが存在する世界の住人になっている
番組を見ていると、オープニングでキャストのクレジットの最後にエキストラ事務所の名前が出てくる。私はこれをネットで調べた。
すると、入会費5000円さえ払えば、性別、年齢、容姿に関わらず登録出来ることがわかった。これで、少人数の現場にもエキストラに参加できるぞ!とワクワクしながら入会した。
やはり私の考えは合っていた。当日現場に行くと、ウルトラマンの主役を演じる俳優がいた。
私は彼のすぐ横を通り過ぎる通行人の役だった。彼は番組で見た主人公そのままの好青年で、エキストラたちにもきちんと挨拶をしてくれて、スタッフたちの指示にもハキハキと答えていた。
やっぱりウルトラマンになれる人ってイケメンなだけじゃないんだな~!と感心した。ちなみに参加した自分自身でみればわかる程度にはテレビに映っており、嬉しかった。
エキストラ事務所経由での参加は雀の涙ほどの報酬がもらえる。茨城県在住の私にとっては交通費で消えてしまうほどの金額だ。
報酬がある分、記念品は貰えず、集合写真もない。しかし、参加人数は10~20人ほどの少人数で運が良ければ、キャストと一緒に画面に映ることもある。
こんな感じで私は休日に別世界の住人になっている。憧れのヒーローが本当に存在する世界の住人になれるなんて、なかなかない。エキストラへの参加はとても楽しい休日の過ごし方だ!
機会があればぜひ皆さんも参加してみて欲しい。