職場も働く仲間も好きで幸せだったけど、次の職も決めずに辞めた

4月末でハンバーガー屋の店長を辞めた。
28歳の私。次の職業を決めずに辞めた。
間違いなく幸せだった。嘘偽りなく、職場も職場のみんなも大好きだった。
やりたいことを仕事にできた私は、憂鬱な気持ちで仕事に向かうことなんてありがたいことにまったくなかった。
でもやめた。

年齢や肩書きに縛られて次のステージに進めないなんてまっぴらだった。
世間ではコロナ禍で職がないと騒がれる中で、安定を捨てて職をなくすなんて、なんと馬鹿げてる話なんでしょうね。
でも辞めた。世間がどうであれ、私には今がタイミングだった。
新しい自分にチャレンジしたかった。

ということで、私の長い長い休日が始まった。今日で16日目になる。
接客業が大好きだった私は19歳からずっと、大型連休を文字通り連休したことはなかったし、土日を休日だと思うことなんてなかった。

ちびまる子ちゃんをリアルタイムで見ることなんてなかったし、お昼ごはんは16時が基本だし、家に帰るのは0時を過ぎてから。
太陽が沈んで夜に溶け込む空気を感じることなんて滅多に味わえない10年を過ごしてきた。

10年ぶりの休暇タイムは、紛れもなく「いつもと違う休日」だった

10年ぶりの人生の休暇タイムは、紛れもなく私にとっての『いつもと違う』休日だ。
幸せで、心地よくて、緩やかで、今までと違う毎日。
きっと、みんなからしたらなんの特別でもない、むしろ普通すぎる過ごし方なんだろうけど。

カーテンの間から入る太陽の光で目が覚めて、まだ寝たければ何度寝でもできる。
天気が良いからが理由で洗濯物を干せて、陽が暮れる前に乾きたてを取り込める。
お腹が空いたらお昼は食べれるし、キッチンに立って食べたい物を作れて用意できている自分。

映画を見たければ2本連続でも見れちゃうし、眠くなったらベッドに入れる。
好きなことを好きなだけやっても、時計をふと見ればまだ日付を超えてなかったり。

鳥の鳴き声って田舎でしか聞こえないと思ってたのに、毎日鳥の声が聞こえてくる。
夕暮れ時に近くの川沿いを散歩すると、1日の終わり見たさに私と似たような散歩仲間が
毎日いる。

日曜日の交差点は仲良さそうな家族が平日よりやっぱり多くて。
さっきまで明るかった部屋が暗くなってきて、もう夜だなぁって実感して、夜ってこんなに長いんだなぁって実感する。

太陽で起きて生き物たちが活動しているのを肌で感じて、お腹が空いて、太陽が沈んで
夜になって。
自然と溶け込んで1日を過ごしてるなぁ。って
当たり前のハズが当たり前じゃなかったから、あーしあわせだなぁ、ってただシンプルに思う。

穏やかに過ごせる特別な今も、いつか日常になり退屈になるかも

きっと、コロナがなければ旅に出てたり遊びに出掛けてたりしてただろうから、忙しく楽しむ休日を選択してただろう。
忙しく過ごす時間の使い方は特別な体験をくれるけど、いつもと変わらない。

緩やかに、穏やかに過ごす楽しみを選べる今に、この時期にマッチしたからこそ、特別な時間の過ごし方を経験できている私。
この生活があと1ヶ月も続けば日常になって、そしたら特別を感じたくなるんだろうなぁ。
日常って思ってしまうと退屈が飛び出してくるからね。

2ヶ月経って仕事が始まれば、日常だと思ってたものが今度は特別だったなぁって思い出してくるんでしょうね。

私って、人間って、勝手だなぁ。とそんなことを思いながらいつもと違う特別な日常を過ごしている。

どこにも遊びにいけなくて、外からの刺激の少ない今だって絶対にずっとは続かない。そしたらこうやって、自然と共存して生活できてる時間は愛おしい特別だったと思い出すんでしょう。

いつもと違う休日は、自分次第でいくらでも作り出せる近い存在

『いつもと違う』という感覚は特別感だったりワクワク感だったり、気分の変化を体験できればきっとそれだけでいい。
それって案外、途切れず日常のすぐそこにあるはず。

パジャマを変えたり、入浴剤を変えたり、ちょっと手の込んだ餃子を作ってみたり、部屋中の服をひっくり返してファッションショーを開催したり。
いつもと違う日常は案外近くにあったりする。

それに気づけたら、いつもと違う休日は難しくなく、すごい近くに存在するものだ。
年齢とか、職業とか、全然関係なく、こんな時だからこそ、自分がどう生きてたいのか、ありふれた日常から発見できる感性は途切れることなくいくつもある。

もう一度伝えたい。

どこか特別な場所に行かなかくても、新しい刺激をもらわなくとも、いつもと違う休日は自分次第でいくらでも作り出せる。
空が変わって風も変わって匂いも変わるように、毎日は特別に、でも変わらずに変わっていく。

今日選ぶ洋服が。
今日採用したメイクが。
今日採用された空が。

あなたの休日を彩ってくれますように。
愛を込めて。