「これ美味しい」「なんの味もしない」
この差がなぜ起こるのか、数ヵ月前の私にはわからなかった。
いつも同じ、自分だけが住んでいる部屋で、いつもと同じ場所に座って、買ってきた物だったり、自分で作った(といってもご飯を炊いただけとか、炒めただけとかだけど)物を食べる。
それなのに、同じお惣菜でも、同じ炒め物でも、味がある時とない時があった。
味があれば美味しく感じて、ペースは早いが満足度も高い。ある程度で満足することができて、自分の気分もよい。
そういう時はその後の行動もテキパキとしていて、次の日の準備だったり、家事も早い。それに伴って就寝も早いのだ。
食事の味がするかしないかで、気分はこんなにも違う。
しかし、ご飯の味がしない時。その時は残念な結果を招く。
食べていてどんどん落ち込んでいく。食べるというより「口に詰め込む」。ほぼ作業である。食べることがつまらないので、テレビやスマホを見ながらの食事となり、満足度が低い。大体その後により味の濃いものを食べ「味がする」ということを感じたくなり、お菓子やアイス、ジュースを求めてしまう。
それらをダラダラと食べるため、時間が押してしまい寝るのも遅くなる。お腹いっぱい、もしくは苦しくなるまで詰め込んでしまうので、動きも遅い。
そして、睡眠時間も減ってしまう。次の日も鬱々として仕事へ行く。基本的に職場では対人関係で、脳と体を全力で使っているので、そのなかで気持ちが勝手に切り替わることが多いが、帰宅するまでに前日の鬱々を引きずることもある。
食事を美味しく感じられると、自分の機嫌が良いということがわかった。逆も然りだと思うのだが、私は自分の気持ちがあまりわからない。何を考えているのか、楽しいのか悲しいのか。とくに、怒っているのと悲しいの区別がつかない。大体はイライラとしていて、スッキリせず、鬱々している。この気持ちを全力で整理すると「怒り」と「悲しみ」に分けられ、そこからやっと立ち直る方法を検討できる。
だから、私にとって食事の味がするだけで、自分の機嫌を保つことにつながるのだ。
原因は天気かもしれない。自分の機嫌を取るため、全力で向き合う。
仕事柄、世の中の休日は自分の勤務日であることが多くて、世の中の連休と自分の連休が重なることは少ない。しかし、このお盆という連休と、自分の連休が重なった。最初の1.5日はご飯の味がした。後半1.5日がしなかった。
とくに変わったことはない。食べ物も大きく変わってないし、誰とも連絡を取ってないのでトラブルもない。
違ったのは天気だ。後半にかけて曇り時々雨だった。気温もある程度あったので、ジメジメしていた。
何を食べても美味しくなくて、途中からひたすら飴やらスナック菓子を噛み砕いていた。
途中でいやになりふて寝したら、20時で真っ暗だった。14時くらいにふて寝する前、カレーを少したべてお菓子を詰め込んだだけだったので、大食いな私は空腹を覚えた。残ったカレーを食べたら、味がした。ここでわかった。
夜は天気がわからないから、味がするのだ。雨さえ降っていなければ、晴れでも曇りでもあまりわからない。そんなことが、私の食事に関係するなんて思ってもいなかった。
多分、住んでいる地域も関係すると思う。暖かい季節はとても短くて、寒い季節は毎日曇っている。雪が降るから仕方ないんだけれど。そのため、夏は晴れていてほしいと心が求めているのだと思う。海に行ったりBBQをしたりといったアクティブな生活はしないけど、日に焼けたりしないけど(むしろ火傷で終わるし)。そんないわゆる陰キャでも、太陽を求めているのだ。
原因がわかったので、今度、太陽の形をしたライトでも探そうか。それとも大きな絵やポスター?
自分の機嫌をとるために、今日も私は全力だ。