高校生までは、生理なんて怖くなかった。生理痛は軽いし、経血も少しだけだった。「生理痛がつらい」と言う友達の感覚も分からなかったし、「生理が嫌い」とも思わなかった。

友達は「生理痛がキツイ」とよく言っていた。それに対して、「そっか」としか思えなかった。

大学生になると生理がつらくなり、痛みでベッドから出られないことも

しかし、今は生理がつらい。大学に入ってバイトを始め、自分のやらなくちゃいけない責任が増えてきたころから生理はどんどん重くなって、痛みは私をベットに縛りつけるようになった。

何枚もの下着を血で汚して、シーツに茶色いシミが増えて、1日の上限まで鎮痛剤を飲む。ルナルナの生理予定日が近づくと、初日になりそうな日はバイトの休みを申請。でも、そういう時に限って5日も遅れてくる。そして、当日は夕方まで起き上がれない。

初めての彼氏とデートの日が、生理初日だった。顔が青ざめて、ものすごく心配させたけど、「生理」なんて恥ずかしくて言えなかった。

新卒で入った会社は、リモートワークになっていたから、生理の日は布団の中で仕事した。上司には極力元気に振舞って、勘づかれないようにしていた。

でも、頭は回らないし、お腹は痛いし、寒気がするしでほとんど手につかない。こんな状況が後何年続くんだろう……。考えるだけで、うんざりしてくる。

女に生まれるんじゃなかった。生理の痛みが人類平等にあればいいのに

「私だって生理がつらいよ」と言うあなたは、起き上がれているじゃない。私だって、「ちゃんとしなきゃ」と思ってる。でも、起き上がれない。

あー、女に生まれるんじゃなかった。生理の痛みが、全人類が平等にあればいいのに。なんで体から血が出るだけで、この世界の全てを憎まないといけないんだろう。

「布ナプキンにすれば生理痛がやわらぐ」と聞いたら、布ナプキンを試した。「生理カップがいい」と言われたら、すぐに購入した。確かにデリケートゾーンの不快感はなくなった。
でも、そもそもの腹痛も起き上がれないほどの寒気もなくならない。

信じられるのは、長年頼っている鎮痛剤だけ。これも初日の朝には全く役に立たないけどね。

私が生理でつらい思いをしてるから、他人がつらいときに優しくなれる

憎しみしかない生理。でも、今は生理が重くて良かったって気持ちが芽生えてきた。それは、生理痛の苦しみを全て受け止めてくれた、夫のおかげだ。

一緒に住んで、初めての生理。初日はいつも通りベッドで動けなくなっていた。私の生理が重いことは今までも伝えていたけど、痛みで泣いているのを見てから手厚いケアをしてくれるようになった。その優しさは、私にも生理に対して優しい気持ちを作ってくれた。

自分がつらい思いをしているから、他の人が「つらい」と言ったときに優しくなれる。私が「生理がつらい」と言うから、周りの人に生理の存在を知らしめられる。生理がつらい私は、生理の広報部員なんだ。

私一人が訴えても、半径5メートルぐらいの人にしか声は届かない。それでも生理がつらいみんなが、「生理はつらい」と言えば、声は大きくなっていく。

生理の話には、やっぱり抵抗がある。男性の上司に「生理痛がひどいので休みます」と連絡を入れるとき、一度消して「体調が悪いので」と書いてしまう。でも、私が生理のつらさを広めないと、後輩も「生理がつらい」と言える世界ではなくなってしまうと思って、私は「生理痛がひどいので」と伝えている。

私の生理のつらさが、日本の女の子を苦しみから救う役に立つと思うと、なんか少し気持ちがいい。実際どうなるかなんて分からないけど、出来る限りの拡大解釈で、女の子の世界を救うため「生理がつらい」と周りに訴えてもいいよね?