私にはじめて生理が訪れたのは、小学校4年生のときだった。そのときは全く生理痛もなく、ただ普段と違う下着を穿いて過ごす1週間が1ヶ月のうちに1度だけ訪れるという、ただそれだけのものだった。

中学生のとき、生理痛で部活を休んだ子がいた。でも、わからなかった

中学生のとき、同じ部活に入っていた女の子が生理痛で休んだ。そのときの私は、「生理痛なんてたいしたことないのに、部活を休むほどじゃないんじゃないのに、今日がたまたまきつい練習メニューだからさぼったんじゃないの」なんてことを口には出さずとも考えていた。

しかし、そんな私の浅はかな考えは、高校生になって180度変わることとなった。高校生になり、急に生理痛がひどくなった。最初は市販の痛み止めでなんとかなっていたのだが、月日が流れるうちにどんどん薬が効かなくなった。病院にも行くようになった。

日常生活にも支障が出て、授業に集中することはおろか、座っているだけで辛かった。そこまで辛い思いをして、はじめて私は中学の頃、生理痛で休んだ女の子の気持ちを理解することができた。痛みは、体験しないと理解できないというのは、こういうことを言うのだろうと思った。

「生理」について知らないから、タブー視しているのではないか?

高校生のとき、教室で友達と話していたときのことだ。何気なく「昨日、生理痛でしんどくてさぁ」と私が言うと、友達は「ちょっと!そんな汚いこと言っちゃだめだよ」と私に言った。

そのときは「ああ、ごめんごめん」と軽く受け流し、別の話題に行ったのだが、私は未だに生理(痛)イコール汚いという考えが理解できないでいる。その子以外にも生理の話題をタブー視する女子は多い。

保健の授業でも、女子には月経という現象が月に一度起こります、などといった簡単な説明しかしないところが多いと聞く。実際、私の学校もそうだった。私は、知らないからタブー視しているのではないかと考える。生理について話すのがためらわれる空気があると、自分の生理が重いのか軽いのか知る機会も減るだろう。

それにより、もしかしたら病気かもしれないのに生理痛を我慢する子や、中学生のときの私のように、生理が重い子を生理が軽い子がサボりだと思ってしま子が生まれてしまう可能性がある。女子の間でも生理についての理解が深まっていないのに、男子が生理痛への理解を深めるのは難しいだろう。

私が高校生の頃、「生理痛で体育を見学したい」と言う子をサボり扱いする男性教師がいた。少年少女のうちから適切な性教育を行わなかったせいで、このような配慮に欠ける体育教師が生まれたのではないだろうか。

私が養護教諭になったら、性教育や生理についてしっかり教育したい

私は今、養護教諭になるために日々勉学に励んでいる。
私が養護教諭になったら、子どもたちにしっかりと性教育をしたいし、性別に関係なく生理とはどういうものなのか、生理痛とはどのようなものなのか、生理の重さには個人差があるということなどを伝えていきたい。

少しでも生理で苦しむ女性が減り、生理への理解が進んだ社会ができることを心から望んでいる。

痛みは経験しないと、なかなか理解できないものである。しかし、痛みを想像することは誰にでもできる。人間には生まれつき考え、想像する力があるのだから。これは生理に限ったことではないが、人の痛みや辛さを理解できなくても、想像することで自分がその人に対して何をすればいいか考えることができると思う。

相手のことを理解できなくても、少し想像力を働かせることで優しい行動ができるのではないだろうか。