ない人にはないが、ある人には月に一度来る波、“生理痛”。

「生理痛ってどんな痛みなの?」「金玉袋ごとお腹に戻して、そこめがけて始終ハラパンされてる感じ」と、わたしが男性に“生理痛”とは何かを聞かれたとき、そう説明する。

男性にはわからないのだ。男性には月の三分の一、血を垂れ流して生きた経験がおそらくない。経験もなく、わからないのであれば仕方がないとわたしは思う。

生理がどんなに痛く、辛いかを男性にも説明するのが「理解への道」

わたしが気に食わないのは、わからないまま聞くことがタブーとされ、「女はいいよな」なんて空気が流れながらも、何もせずに「わかってほしい」と思っている女性側の空気感である。

確かに月に一回寄る波のおかげで、合法的に有給だの、学校を休む理由などができるのは、楽そうに見えるというのはわかっている。ただ、男性には理解できないものを説明もせずに「わかれ」というのは、酷であろうと思うのだ。

だから、わたしは男性にも女性にも訴えたい。理屈で説明するのではなく、それがどんなに痛く、辛いかを男性にもわかるように、説明するのが理解への道ではないかと。わからないものを「わかってほしい」などと押し付けるのは、こちらのエゴというものだ。

結果、「金玉袋ごとお腹に戻して、そこめがけて始終ハラパンされてる感じ」というのが近いかなという結論に、生理人生10年目にしてようやく辿り着いた。それを聞いた大抵の男性は、上を見ながら「うん、それは痛い」という結論を得る。

生理の時は休んでもいいという優遇措置がとられ、理解がついてこない

さらにいえば、女性は月の三分の一、せっかく摂取した鉄分を体から垂れ流し、ムレ・かゆみ・鈍痛と戦い、挙句“こどもを産まない自分”と向き合わされる。多少の誇張や、それぞれ違いはあるにせよ、冷静にきつい。

ああ、もったいない。世の中には貧血の女性が多いってのに。これを有効活用することはできないのかね。有効活用するなら、まずこども産めってか。ああ、そうかい。生理なんてものは、女としての役目を果たしてないって、体が知らしめるためにでもできてんのか。だが、わたしの体よ「今じゃないんじゃ」なんて思いながら、下腹部を襲う波が引くのを待つばかり。

最近は、フェムテック(商品やサービスで女性の健康をテクノロジーで解決しようというビジネス)が有名になり、昔ほどタブー化はされなくなってきているのも事実だ。ニュースなどで、生理について取り上げられている様子を見ると、すごいなと感心してしまう。

しかし、生理というものの仕組みがわかっても、それがどれほど女性にとって大変なのかを議論する際は「ーらしいね」節で語られ、上滑りしているように見える。知識だけが先行し、女性は生理の時は休んでもいいという優遇措置だけがとられ、理解が追いついていないように思えるのだ。

男性も女性も「生理」を理解し合うことで、人生は少しずつ変わる

紳士諸君、無理に理解せよとは言わない。だが、生理痛とは、金玉袋ごとお腹に戻して、そこめがけて始終ハラパンされてる感じなのだ。少しでも理解できた方は、きっとこれから女性に優しくなれるだろう。

そして、淑女であるわたしたちは、それを進んでとは言わないまでも、疑問に思う紳士には説明をするべきであろう。

そうして、少しでも女性の働き方、生活、人生がよくなることをわたしは切に願うのである。