ライブ配信でファンを獲得するコンテストに挑戦

私は以前から芸能界に興味があり、オーディションサイトをこまめに閲覧していた。
ある日、「ビューティーモデル」を発掘するコンテストを見つけた。ファッションではなく、美容誌で「顔」「スキンケアやメイク」を中心に活動するモデル、SNSでの発信力を備えた人物の発掘が、目的である。
また、ライブ配信を通して「ファン」を獲得する力の有無も、審査項目の一つだった。さらに、年齢制限の上限がなかったことにも魅力を感じ、挑戦した。

コンテスト期間は丸1ヶ月、出場者の好きな時間に配信するルールだった。
平日昼間は勤務中のため、いわゆる夜のゴールデンタイムに配信せざるを得なかった。私は、基本的に帰宅後に入浴し、スキンケアをし、メイクを施してから配信に臨んだ。
平日は毎日、朝6時半にはメイクを完了し、昼休憩時にメイク直しをしているものの、1日も経過すれば「化粧崩れ」は避けられない。
また、一度メイクを落としてサッパリし、肌を整えることで、メイク乗りも良く感じた。

だが、睡魔に襲われて、1時間配信するのもやっと、という状況もある。その際は、スッピンで写ることや加工はせず、最低限の身だしなみとして白粉を塗り、リップと口紅を塗った。配信終了後は、メイクをサッと落として、パジャマに着替えたらすぐに眠る体制を整えていた。

「美」への意識が足りなかった。モデルへの道のりは険しい

1ヶ月のコンテスト期間中「勝負服、メイク推奨タイム」という、開催前夜に通知があるイベントが計4日間開催された。
突然の開催告知に戸惑いながらも、自分に出来ることをした。
服は清楚系の服を選んで着用したが、メイクに関しては特段、変化球は投げなかった。毎日が勝負メイク、との意識で臨んでおり、応援して下さっている方に「恥じない顔」で取り組んでいた自負があったからだ。
多少、モチベーションアップのため、ビューラーで上まつげをカールさせた程度だ。

配信審査が終了し、順位は振るわなかったものの、自身に出来る最大限のパフォーマンスは行ったため、後悔はなく、満足していた。
すると、思い掛けなく実行委員の方から連絡を受け、最終審査への進出が果たせた。
面談では「メイクの際に、参考にしているもの」「メイクで気をつけていること」などを質問された。
私は目の下のクマを、目立たないように、コンシーラーでカバーしていることなどを話した。メイクでは、自身の弱みを隠す点を重視しており、返答に嘘偽りは一切ない。
だが、面談を経験し、自身の「美」への意識は低く、他者のお手本になるビューティーモデルへの道のりは、険しいものだと悟った。

美の追求に終わりはない

ただ、今回、自宅で配信者としてライブ配信を経験し「他者から見られている」「工夫次第で、憧れられる存在にもなり得る」のだと自覚し、自分を律する貴重な経験となった。

同コンテストで上位入賞を果たした方々は、ファンや関わる人の心を掴み「精神的に、そして物質的に」影響力を与える存在になっていた。
美人なだけでなく、メイクや美へのこだわりがあり、一般人で身近に感じる部分は持ち合わせつつ、ファンに支持されていた。

メイクは社会人の女性として「身だしなみの一つ」であり、その日一日の「モチベーション」に繋がるもの、という思いが根幹にあるのは、今も変わらない。
また、1ヶ月間、ビューティーモデルを目指し、最終的に特別賞を受賞できたものの「上には上がいる」ことを目の当たりにした。同時に「自身や他者の、メイクとの距離感」を考える機会となった。

「若さや時間がない」との言い訳は通用しないことも、理解した。美の追求に、終わりはなく、高みを目指して研究や努力を重ねていけば、より女性として輝くことができるのだ。
今後も、メイクとの距離は、近くありたい。