かがみよかがみ、2年の節目を迎えることができました。編集長の伊藤です。
思い返せば、サイト立ち上げの時は「そんなに書いてくれる人がいるのかね」というのが一番の懸案事項でした。いや、やったことないからわかんないし、と思いながらも、「書いたことはないけど、書きたいこと・伝えたいことがある人はいるはずだ」という思いから、なんとか始めることができました。
これまでに投稿してくれた「かがみすと」のみなさんの数は3000人超。朝日新聞記者が約2000人なので、気づけば記者より多い数になりました(笑)。
「初めて文章を書きました」という声がすごくすごくうれしい
以前、エッセイの講評をしていただいた方に「かがみのすごいところは、恋愛とかの個人的な経験についてのエッセイと、社会的関心のエッセイが割と分けられずに混ざり合っていること。そういう社会への問題意識がある書き手を集められたことが、強みだよね」と言っていただいたことがあります。
私はこの言葉が何よりうれしかったのです。
このサイトを通じて、ライターや作家など書き手が誕生するのも万々歳なのですが、それだけではなくて、自分の気持ちを言語化して、社会を動かしていく人が1人でも増えるといいなと思っています。なので、「初めて文章を書きました」という声がすごくすごくうれしいのです。こうして、ひとりひとりが違和感を言葉にして、社会を変えていくうねりを作ってくれたらいいなと、その着火装置になればいいなと思っています。みなさんの投稿を拝読して「個人的なことは、社会的なこと」を体現しているなあと日々感じております。
編集部としましては、
初めて自分の気持ちを書いてみた、という人が1人でも増えるよう、
2回以上の方が「前よりうまく言葉にできた」という経験が増えるよう、
サイト運営をしていきたいと考えています。3年目も、どうぞよろしくお願いいたします。
10月から産休に入る予定です
さて、ここから私事になってしまうのですが、10月から産休をいただく予定です。
妊娠中、大変なことはたくさんありましたが、おかげでたくさんのことに気づけました。私のつわりは、午後に熱がでるというものだったので、16時すぎには仕事は閉店。思うように働けず、そしてそのことを妊娠初期だったこともあり話せず、苦しかったです。たくさんの方に仕事をカバーしていただいたことで、良い意味で「私じゃなきゃできない仕事」なんてほぼないんだと気づけたことも、大きな収穫でした。
他にも、親友がわざわざ「駅まで送っていくよ」と言ってくれたり、出産経験のある友人が大量に「妊娠中の必要グッズ」を送ってくれたり、見知らぬ人が荷物を運ぶのを手伝ってくれたりしたこともありました。
すでに、この子は社会に育てられているんだなあと思ったのです。
ずっと子どもを産みたいと思っていたけれど、記者をしていた20代はただひたすらに仕事に追われ、月経不順に始まり、あれやらこれやら、婦人科系の問題は山積み。そのまま、高齢出産と言われる35歳を迎えようとしていたので、「産まない人生」も視野にいれていました。
そんななか、自分が運良く産む側になって気づいたのは、子育ては産んだ人だけでやるものじゃないという当たり前のことでした。直接、妊婦に何かをすることだけではなく、極端なことを言うと、未来をよくしようと生きること、それ自体が、もう「子どものため」につながっている。社会全体で子育てしてるようなものなんだよなあと思ったのです。
すごく当たり前のことを書いているのかもしれないのですが、ちょっと前まで「余裕で一人で生きられるし~」と調子にのっていた私には、パラダイムシフトでした(笑)。
というわけで、これから産休に入りますが、仕事も子育ても広い意味で目指す先は一緒なのかなと思います。元気に産んで、また戻ってきたいと思います。
私がお休みの間も、編集部の頼れる愉快な仲間たちがかがみよかがみを守ってくれます。引き続き、投稿お待ちしております!