「告白」、これは恋につきものだと思う。言うならば、「好き」と「告白」はセット。
小学生の頃も、中学生の頃も、そして今でさえも「好きな人ができた」と言われれば「告白するの?」と言うまでが流れ。
そして「付き合うことになった」と言われれば「どっちから告白したの?」と言うまでが流れ。しかしまさか自分が人を「好き」になって「告白」について考えるなんて思いもしなかった。

ずっとわからないものだと思った「好き」が分かった、高校3年生の冬

小学生のころ、「あたしは〇〇くんが好き!ももちゃんは?」と何度か聞かれても、私は「好き」と言うのがよくわからなかった。一緒にいたいと思ったら好きなのか、キスをしたいと思ったら好きなのか、全くピンとこなかった。高校生になってもそれは変わらなかったし、きっとこれからもずっとずっとわからないままなのだと思っていた。
でもそれは違った。高校3年生の冬、私は人を「好き」になった。「私、あの人のことが『好き』なんだ」と心の底から思った。
今まで話の輪に入れなかった恋あるあるが驚くほどにわかる。恋愛ソングに妙に共感してしまう。友人の惚気にキュンキュンしてしまう。
初めての「好き」という感情だったにもかかわらず不思議と腑に落ちた。一緒にいたい、キスをしたい。

「好き」だとわかると、どうやら私はいても立ってもいられないタイプらしい。なんだか自分が自分ではないみたいだった。
メイクやヘアケア、スキンケアに興味が出始めて、その他にも服の系統を変えてみたりネイルをしてみたり、その人のことでドキドキしたり一喜一憂したり、馬鹿みたいだった。
でも楽しかった。それと同時にどこか虚しかった。
私は18歳、あの人は25歳。私は学生で、あの人は社会人3年目。私は怠惰で、あの人は努力家。いつもキラキラしているあの人には「私」じゃない。好きで好きで大好きで、愛してるからこそ心からそう思った。

明日で会えるのは最後。「告白」をするかしないか、大きな岐路に立つ

それからしばらく月日が経って2月4日。18歳と11ヶ月と少し、大学1年生の冬。事情があり、あの人に会えるのは明日の2月5日が最後になってしまった。
そこで私は大きな岐路に立つ。「告白」をするかしないか。
することを選べば今のこの関係が終わるだろう。しないことを選べば今のこの感情の行き場がなくなるだろう。
「告白」と言う言葉が頭の中をグルグルと回る。どうしよう、と心が揺らぐ。
どうせ最後になるんだったら、ネイルサロンにも美容院にも行けば良かったし、新作のかわいい服も買えば良かった。もし最後になるってわかっていれば、二重の癖付けもしたし肌の調子だって整えようとしたのに。
そんなことを考えた末に私はやっと「『告白』をする」と心に決めた。その時には既に夜が明けていて、2月4日が終わり2月5日の朝だった。

2月5日、ついに「告白」をした。私は不器用だからもしかしたら想いはうまく伝わっていないかもしれない。でも私の大好きなあの人は私の大好きな笑顔で「ありがとう」と言ってくれた。
あの人を好きになって良かった。それに、たくさん考えぬいた昨日の夜も無駄ではなかった。あの夜があったから、そう思えた。