わたしのスーパーヒロインが、人生を変えてくれた

わたしには座右の銘がある。「自由に生きて、強く死ぬ」だ。
これは宝塚歌劇団の花組公演「祝祭喜歌劇 CASANOVA」のうちの楽曲のひとつらしいが、わたしはそのことを推しのアイドルに教えてもらった。
それが眉村ちあきさんである。
というのも、眉村ちあきさんがメジャーデビュー2周年記念に行った無観客ライブのタイトルが「自由に生きて、強く死ぬ!!!!!!!!!」なのだ。

彼女はコロナ禍で有観客でライブが出来ず、精神的に不安定になっていた時に宝塚に出会い、人生が変わったそうな。
眉村さんにとっての宝塚という存在が、わたしにとっての眉村さんだ。わたしにとっての眉村さんは、人生を変えてくれた超スーパーアイドルる。そして、日本で、世界で、いちばん最強で最高の弾き語りトラックメーカーアイドルである。

自分をいいように見せなくてもいいんだ、こんなことが許されるんだ

わたしは常に周りの人にハッピーな部分だけを見せて生きていきたいな、と思っていた。
どんなに親しい友人でもなるべくマイナスな部分を見せたくないし、そういうのってちょっとダサいと思って今まで生きてきた。
だけど、眉村さんに出会って、「自分をいいように見せなくてもいいんだ」と思えるようになった。

眉村さんは楽曲の作詞作曲編曲のほとんどをひとりで行い、ギターを肩にかけ、舞台上で自分のMac bookを操って音出しをする、極めて個性的なアイドルである。
感情表現がとても豊かで、ライブでは毎回サボを履き、いつもニコニコの笑顔で楽しそうに走り回ってる。
そんな彼女の楽曲にはキャッチ―でポップなトラックとは対照的に「音楽ってどうやって作るんだっけ?」や「どうしてこんなに自分に自信が持てないんだろ」といったネガティブなリリックが認められていることがあり、最初はすごく驚いた。
アイドルが、こんなにストレートに自分のマイナスな感情を歌に乗せているなんて。

そればかりか、電車で乗り換えがうまくいかなくて泣いてしまったり、やけ酒して声が出なかったことも、SNSなどで自ら発信していた。でもそれが受け手には全くネガティブに映っていないのがすごいと思った。
こんなことが許されるんだ、と舌を巻いたし、同時にものすごく羨ましいと思った。
わたしも彼女みたいに生きてみたい、と思った。

自分をさらけ出すことで、自分も救われた

わたしは小さいころから、思ったことを頭の中で消化してしまう癖があった。
小学生の時に、日替わりでクラスの子をハブにする遊びをしていた子のことは、頭の中で何度も殴ったし。中学校で一番モテた憧れの先輩とは、頭の中でデートを何回もした。
そうやって自分の感情にうまく折り合いをつけて、消化をしてここまで生きてきた。
うまく生きてるつもりだったけど、そうやって自分の感情をすり減らしていくうちに、軽いうつ状態を繰り返すようになってしまった。

だけど眉村さんに出会って、自分をさらけ出すことはダサいことでも恥ずかしいことでもなくて、自分を理解してもらえることなんだ、ということに気が付いた。
そしてわたしは初めて、インスタで自分をさらけ出してみた。
病気のこと、苦手なこと、自分の価値観、今の自分が想ってることを嘘偽りなく発信した。
否定されるだろう、それでもいいからいまこの気持ちが冷めないうちに、みんなに知ってもらいたい!その一心だった。

そうしたら仕事で知り合った人や、高校卒業以来全く連絡を取っていなかった友達、同じような病気で悩んでいる友だちからも「救われた」という言葉を沢山もらって、自分も救われた。
自分の発信した言葉が誰かを救うことが出来る可能性があるのならと思い、「かがみよかがみ」ではnonkとして、エッセイを書いてみようと思えた。
人生がどんどん開けていった。

言葉にするのはまだ少しためらうときがあるし、正直ちょっと怖い。
だけどすごく心が解き放たれていることも、実感できるようになった。
自分をさらけ出すことで「自由に生きて、強く死ぬ」ことができるなら、これが本望なのかもしれない。