お酒が入ると寂しくなる。そうなると誰でもいいから人を家に呼ぶ。それが私だった。
毎日のように昼働き、夜になるとスナックで働く生活をしていた。毎日浴びるようにお酒を飲み、誰でもいいからと片っ端から連絡を入れる。

酔っぱらった私を送迎してくれる彼は、なんで手を出さないんだろう

女友達は酒癖の悪さからか断られる。そう決まってうちに来るのは男友達。目的は身体に決まっているとは分かっていたけど、寂しさには勝てない。朝になると「またか。」と思う。
前は後悔していたけど、もう毎日だから……そんな私に友達から飲まなくて足になってくれそうな男の子を紹介された。2個下だった。彼はすぐに酔っ払った私を送迎してくれる人となった。
だけど彼は今までとは違い、家に送ってくれて私が寝たのをみて帰るだけだった。なにより、一度も手を出してこなかった。彼は私を送迎してくれる人となった。
それからその生活が半年以上続き、気付いたら「なんで手を出してくれないんだろう。女として見れないのかな」と思うようになっていた。
恋だった。だから、一度お酒を控えてみた日があった。
そしたら「いつもみたいやないね。体調でも悪い?飲ませてくれんかったか~」と笑った。私は「え、飲んでる私、嫌でしょ」と聞いたら飲んでる方が楽しそうでいいよって言われた。
不思議だった。何もない関係が続いた。親しい友達にもこの関係を言っていたから、「あんたみたいな人を大切にしてくれる人そうおらんのやで、大切にしな」とずっと言われていた。

記憶をなくすほど飲んで彼を呼んだ日、目が覚めると彼が泣いていた

かと言ってなんとなくプライドで告白することはできなくて、「付き合ったら楽しそう」の発言にとまっていた。彼も彼で「僕は自由に生きたいから彼女を作らない」と公言していたからこそ、どうしても彼から告白して欲しかった。
そして、送迎してくれて8ヶ月。ある日、記憶をなくすほどお酒を浴びた私は彼を呼んだ。
朝、目が覚めると彼がいて泣いていた。記憶がない私は「え、どうした」と聞くと、彼から「ごめんね。今まで何も聞かなくて」と言われた。
よくよく聞くと、私は過去の話をしており、全てを話してたらしい。彼にいい顔してたからもう終わったと思った。それから彼とは1ヶ月連絡がとれなくなった。けど私は誰も家には呼ばなかった。いつ来るか分からないけど、彼が来ると願っていたから。

1ヶ月したある日、彼が現れた。いつも通りに「おじゃまします!」と

1ヶ月したある日、突然ピンポンが鳴って彼が現れた。いつも通りに「おじゃまします!」と。そして、
「色々考えたけど、僕があなたを助けます。辛い時も楽しい時も僕が全て受け止めます。付き合ってください」
彼からの告白だった。もちろん答えはOK。そこから私は変わった。
毎日お酒は飲むし、たまには失敗するけど、彼は怒ることなく心配をしてくれ、褒めてくれる。今までぽっかり空いていた穴が埋まったようだった。幸せとはこういうことか分かった気がした。
彼のおかげで私は今どんどん成長している。人との関わり方も変わったし、お酒の飲み方だって変わった。人から言われるのは、性格がすごく変わったと。
あの日、お酒の力だけど語った日があったから今がある。あなたに会えてよかった。付き合えてよかった。6月1日があってよかった。