社会人になって、歳を重ねるにつれて、自己肯定感が低くなってきたように思う。
新入社員の頃はいつも先輩達にちやほやされて、ちょっと先輩のお手伝いをするだけで褒められたのに、今では難しいことをミスなくやってやっと及第点。誰も褒めてくれないし、後輩のミスだってちゃんと説明しなかった私のせい。

自分を認めてあげられるのは自分なのに、何もしない私は自己嫌悪の塊

家に帰れば、付き合っていた時はちょっとしたものでも褒められた料理も、結婚して2年も経てば毎日出てきて当たり前で、感想は特になし。
気心の知れた親友たちとお洒落なランチを楽しみ、お世辞抜きの褒め合いをした週末も、結婚してからは回数が減り、コロナに完全に取り上げられた。

私の自己肯定感は、周囲からの評価によって作り上げられてたんだと気付く。そして、それらがなくなった今、自分を認めてあげられるのは自分しかいない。
それなのに、仕事が嫌いと豪語しながら、転職活動も頑張れず、向上心も持たないまま同じ仕事を4年半も続けている私。
健康のために野菜を摂りたいと思いながら、仕事から帰ると面倒になって、大したご飯を作れない私。
徐々に衰えてくる肌や体力を嘆きながら、何もしていない私。
自分のダメなところばかりが浮かび上がってきて、好きなところはひとつも見つからなくて、自己嫌悪の塊になって突然泣き出し、夫に嫌な思いをさせてしまう。
もっと自分のことを好きになれたら、強く、楽しく生きられるのに。
そんなことを思いながら、休日の朝の日課として、YouTubeを眺めていた。

動画を見ながら見様見真似で身体を動かすと気持ちよく、達成感がある

よく見るチャンネルを一通り見終え、夫もまだ起きないし、何を見ようかなと考えて、なんともなしに「脚痩せ」とずっと気になっていたワードを入れてみる。
典型的な骨格ウェーブで、げっそりしたデコルテに対し、太ももに全部脂肪が集まっている自分の体型は大嫌いだ。そして例によって、それに対して何の努力もできていない自分が、もっと嫌いだ。
沢山の動画が出てくる。中には3000万再生を超えるものまであって、興味本位で再生してみる。
画面上では、私よりもいくつか若い、可愛い女の子が、明るい声で説明をしながら、一緒にストレッチや筋トレをしてくれる。
せっかくなら、と見様見真似で身体を動かしてみる。
運動なんて久しぶりで、後半はちょっとつらくなってきたけれど、その可愛い女の子が「あとちょっと!」「頑張ってるみんなかわいい!」なんて声をかけてくれると不思議と頑張れる。
身体を動かすのはとても気持ちが良く、動画一本分の筋トレを終えるとものすごい達成感があった。
動画には沢山のコメントがついていて、何か参考になればと思い開いてみる。
YouTubeのコメントは過激なものも多いように思っていたけれど、マイナスなコメントは一つもなかった。

目標に向かって努力する人は輝き、可愛い。私も負けていられない

好きな人に告白するまでに頑張りたい中高生。
彼氏にもっと好きになってもらえるように頑張る大学生。
結婚式までに痩せたいお姉さん。
妊娠出産前の体型を取り戻したいお母さん。
そして自分に自信をつけるために頑張るたくさんの人たち。

ここで目標に向かって努力している人たちはとっても輝いていて、とても可愛い。
私も負けていられない。
そう思った。
夫にもっと好きになってもらえたら嬉しいし、そして、何より、自分を好きになりたい。

それからというもの「セルライト撃退」「バストアップ」「姿勢改善」...…沢山の動画を調べて、自分なりに研究して、毎日ちょっとでも身体を動かすようになった。
平日にはそんなにたくさんは出来ないけれど、毎日最低1つはプログラムをして、その度に自分を褒めてあげる。

今日もちゃんとプロテイン飲んだ!えらい!
仕事中お手洗いに立った時にバストアップのストレッチをしている私、かわいい!
お風呂の前に野球を見ながらスクワットする私、素敵!
夫とゲームをしながらふくらはぎのマッサージをする私、すごい!

少しでも努力した今日の私はきっと、昨日の私よりちょっと可愛い

頑張っていることがあれば、自分をちょっと認められるし、好きになれてきた。
すぐには目に見える変化はないかもしれないけれど、続けていれば、スキニージーンズを格好良く履きこなせるかも知れないし、ぴったりしたニットを綺麗に着こなせるかも知れない。
何より、ほんの少しでも努力した今日の私は、きっと、昨日の私よりちょっと可愛い。
そう思うことで、誰かからの褒め言葉に依存することなく、強く、気高く、前向きに毎日を生きられる。

これがやっと見つけた、自慢したい私。
そして自慢したい私でいるために、自分を好きでいられるように、今日も私は明日の自分のために努力する。