「自分の軸で選ぶ」ってどういうことなんだろう。
とてもありがたいことに、複数社から内定を頂き、最終的にどこの企業の内定を承諾するかを悩んでいた時、私の頭に浮かんだ疑問。

第一志望群に属する企業からの内定。なぜか想像以上に喜べなかった

それまでの就活期間、「自分のやりたい仕事ができるかどうか」とか、「なりたい姿に近くための経験を積める環境かどうか」とか、割と「自分軸」で企業を選んできた。就職難易度ランキングとか、平均年収ランキングとか、そういう世間一般の評価じゃなくて、自分にとって良い企業と出会いたくて、そこには結構こだわりを持ってきたタイプだった。そう、そのはずだった。

私が就活を始めたのは2年生の2月。だいぶ早めのスタートを切り、いろんな企業の説明会に参加したり、サマーインターンに参加したりしてきた。動き出しの早さもあり、いわゆる「第一志望群」に属する企業から、3年生の11月には内定を頂くことができた。

その企業は、創業間もないスタートアップ企業で、すごくすごく素敵な企業だった。社員さんとは30人近く面談をさせてもらって、どれだけ素敵な方々が働いているのかも知っていたし、自分のやりたいことやなりたい姿を素直に全てお伝えし、入社後にはどんなチャンスを掴めそうなのかも明確にイメージできていた。

だから、最終面接は、お祈りされてしまったらどうしようと、とても不安に思っていたし、それぐらい惚れ込んでいた企業だった。

それなのに。なぜか分からないのだけど、内定通知を頂いた瞬間、想像以上に喜べ「ない」自分がいた。もちろん、すごく嬉しかったのだけど、思っていたよりは喜べなかったというか、なんというか。
少なくとも、このまま就活終わりにしちゃおう!っていう気持ちにはなれなかった。

周りの評価は関係ないと思っていたけど、キラキラ生きたい自分がいた

それからずっと、私が喜べなかった理由を考えていて。そしてやっと分かった気がした。
「キラキラ感」が足りないんだ。

これまでずっと有名私立の学校に通い、大学も名前を言えば「すごい!」って言ってもらえるような学校だった。留学したり、インターンしたり、やりたいことは全部やらせてもらえる環境で、「キラキラ」生きてきたんだと思う。周りからの評価なんてどうでもいいと思っていたけど、でもそれは、たまたま今まで周りから評価してもらえる環境にいたからこそ、そう感じていただけなのかもしれない。

いざ、企業名を言っただけでは「すごい!」とは言われないかもしれない企業に入社するかもしれないとなると、急に足がすくむ感覚がした。

そのあともしばらく就活は続けた。そして本当にありがたいことに、他にもいくつかの企業から内定を頂くことができた。その中には、世界の誰しもが知るような超大手企業とかも含まれていた。

周りからの評価なんて気にせず、私は私の道を歩む。そう思っていたのに、いざ有名企業からいくつか内定を頂いてしまうと、「それでもベンチャー!」と自信を持って選べない自分がいた。

最終的に自分の軸で企業を選んだ。ありのままの自分を好きでいたい

それから何度も何度も自分に向き合い、各企業の社員の方々にもたくさん相談に乗って頂き、最終的には本当に納得感を持って入社したい企業を選ぶことができた。でも、その企業は最初に内定を頂いていたベンチャー企業ではない。

周りからの評価は気にしない方がいいと思っていたけど、そういう面も気にしてしまう自分に気づいて、気づいた当初は自分がすごく嫌な人間に思えた。でもだんだん、評価や世間体を気にしてしまう自分も自分の一部だなって思うようになってきて、それも含めてこの企業がいいって思えるなら、それが「自分の軸」で選んだことになるんだと思うようになった。

他人軸を気にしてしまう自分だって、それでも自分のやりたいことを貫きたいと思う自分だって、葛藤している自分だって、全部自分なんだよね。こういう自分でいなきゃとか、こういう自分であるべきとか、そういうものに縛られずに、ありのままの自分を好きでいてあげたい。

意外にも就活という経験は、私にそんなことを思わせてくれたものだった。