コロナ時代の就職活動は、全てオンラインで完結する。
ESの提出はもちろん、面接まで画面越し。最近内定を頂いた私も、ついに一度もスーツを着てオンシャに赴くことなく、就活を終えようとしている。

就活は顔選抜がある。採用する人事も人間で責められることじゃない

さて。コロナ時代に限らず、就活に参戦した大学生はみな、ある時悟る。
「顔選抜はある」と。
つまり美人やイケメンはそうでない人に比べて選考に通りやすい。それを証明するデータなどあるわけないが、みんな体感で知っている。

もしかしたら「顔がいい人を採用している」のではなく、「顔がいい人は印象が良いので結局採用されやすい」といった考え方もできるかも知れない。しかし結局どちらも同じことではないか。

採用する人事も結局は人間だ。容姿に印象を左右されたって責められることじゃない。
実際私もこの間人気企業のインターンに参加した際、画面に映し出される女性陣のお顔がどこまでも華やかで、ぎょっとしてしまったことがある。そして、その中に自分も参加できたことに、ほっと胸をなでおろしたのだった。

私はありがたいことに、しばしば「美人」と褒めてもらうことがある。目が平均より大きく、二重でまつげが長く、歯並びが良かったりするからか。
しかしその一方で、立ち姿には全く自信がない。頭が大きく足が短く、そしてぽっちゃり体型だ。よって私は自分の容姿を、「顔A・スタイルC」だと冷静に評価している。

容姿が印象を左右する就活において、オンライン就活は救世主になった

だからそんな私にとって、首から上しか映らないオンライン面接は救世主なのだ!顔だけ映してにこにこ笑って、それらしい話をしていれば良い。立った時のずんぐりむっくり感なんて伝わりようがないのだ。自信を持って受け答えしていればいい。
特に私はかわいい系ではなくキレイ系の顔をしているので、これも就活においてはアドバンテージだと思う。けっこう賢そうに見えるのだ。

画面に映る笑顔の自分を見て、「ぶっちゃけ我ながら印象良い顔してるよな……」と思ってしまったことだってある。
さらにありがたいことに、顔だけならいくらでも細工できるものだ。私も面接の前はいつも気合いを入れてメイクする。

丸い顔を隠すべくがっつりシェーディングを入れ、寝不足の肌をごまかすべくハイライトを入れ、少しでも色白に映るよう照明まで工夫する。これで少なくとも2割は盛れる。
もし面接前に5分、時間の余裕があったら、私は問答の予習よりもまつ毛が上がっているか確認したい。先日人気のインターンの選考に落ちたのは、最終面接の15分前に飛び起きたせいで、盛れていない顔面で臨んでしまったからだと本気で思っている。

所詮就活なんて、いかに自分をよく見せるかの演出競争でしかない

そもそも就活なんてどうせ、「いかに自分をよく見せるのか」の演出競争でしかない。大学生が4年間で成し遂げられることなんて大差ないからこそ、脚色を重ねて武勇伝を作り出す。そしてその武勇伝をいかに分かりやすく、そしてそれらしく話せるか。結局そんな戦いだ。

その演出競争は容姿においても同様だ。ガクチカのエピソードを創作し、話し方を練習するように、印象の良い顔面を作り出すことすらも就職活動の一貫だと思う。

そんな私はいま、いつか実際にオフィスを訪問して社員や同期と対面する日を心から恐れている。そこでスタイルの悪さがばれてしまって、印象が下がったらどうしよう。
それまでにダイエットすればいい?そのとおりだと思う。

しかしそれよりも、このリモートワークの波が続くことばかり祈ってしまう怠惰さよ。そしてそんな怠惰な私でも、人気企業の内定をもらえてしまうイージーさよ。
みんな使えるものは使って就活をしている。オンライン就活は、私の姑息な工作の、強い味方をしてくれた。