たった一つの動画で出会った彼に照らされた心。誰にも言えない恋の話

――たった1つの動画であなたを知りました。
去年の夏、私は失恋して心がボロボロに傷んでいた。たくさん涙を流した。
それでも「時間が解決してくれる」と言うだけあって、日にちが経てば吹っ切れる。
そして、いつも通り仕事をして好きな事に時間を使って楽しんでいた時、私は気になったYouTubeの動画を見ていた。
1組目が歌い、踊った後、2組目に出てきたグループが登場して、曲が流れ始める。かっこいい曲調なのにどこかセクシーで。
沢山のダンサーが踊り始める。
初めて見る動画、初めてみたグループ、初めて見た人達。
全てが"初めて"なのに、気づかないうちに私のこころはドクンと高鳴って、ある1人の男性から目が離せなかった。
その人は声優さんだった。
私はその人をずっと見ていた。その人から目が離せなくて、自分自身もなぜこんなにも見入ってしまうのか分からないくらい、見ては戻してと繰り返し見ていた。
ただただ、彼の声、動きに目が離せない。
そして数日後にはその人の事が気になっていて、気づけば毎日その人ばかりになっていた。
軽い気持ちで見たのに、日に日に気持ちが増すばかりで、気づけば好きになっていた。
いわゆる、沼っていた。
彼の魅力に私は毎日心がトキメいていた。
色々な表情、声、趣味を持つ彼に惹かれていた。
1年経った今、わたしの中で彼はとても大きな存在となっている。
たった1つの動画から出会い、その時から私の心は彼に何度も救われて。
何度も、何度も。
そして今も尚救われている。
本気で好きなんだと自覚したのは最近。
叶わない恋。だれにも言えない恋。私の心の中で勝手に想い続けてる恋。
分かっている。
分かってはいるけれど、知りたいと思ってしまった。もっと彼を知りたいと。
声優としてではなく、1人の人として。
でも、住む世界が違う。
こんなにも遠い存在の人を好きになってしまった。月に願っても叶わない。知る事が出来ない。悪く言えば残酷な恋なのかも。
深く堕ちて、堕ちて。ふわふわな空間に、夢のような狭間で揺蕩っている。
それでもいい。
それでも私は想い続ける。
いつか儚く消えるであろうこの恋を、楽しもうと思っている。
「トクベツ」な存在になれなくても、陰ながら支えられる人になろうと思っている。
私はブログを書いているのだが、毎回その人の事を書いている。
儚く消えるまで私は彼への気持ちを綴るだろう。
それで少しでも彼が癒されるのならば、笑ってくれるのであれば、そんな嬉しい事はない。
ま、読んでくれたらの話だが。
この気持ちはいつか泡になって消えていくのだろうか。
それでも、私はいつもあなたの幸せと健康、活躍を祈って想いを綴るだろう。
そして今日もまた、誰にも言えない恋をしながら、彼を想いながら私の1日が始まる。
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