かがみよかがみでは、「雨と思い出」をテーマにエッセイを募集しました。たくさんのご応募の中から、編集部が一番心に響いたエッセイを「かがみすと賞」として選ばせていただきました。

今回は、かがみすと賞1本、編集部選として2本のエッセイをご紹介いたします。

◆かがみすと賞

雨の中で考えた娘の名前。子供になってほしくない人間、それは「私」だった(柚はちみつ)

あらすじ:雨の公園を散歩しながら、お腹にいる娘の名前は何にしようかと思いをめぐらせているうちに、自分のコンプレックスが思い浮かぶ。まるでこの冷たい雨のよう。でもいつの間にか雲が切れて……

◆担当編集者からのコメント

雨の中で、お腹の中のお子さんと対話しながらゆったりとお散歩をされる情景が目に浮かび、すてきなエッセイだなと思いました。丁寧な描写と構成で、読者が自然と最後まで読み進んでしまう力があります。雨が降る公園の様子や、どこか静けさのある筆致が醸し出す独特の空気感にも惹きこまれました。大切なお子さんのお名前に込めた想いとご自身の葛藤が、どう「雨」と繋がっていくのか。素敵なエッセイを、ぜひぜひご一読ください!

◆編集部選
映画のワンシーンみたいな豪雨。失恋した私をロマンチックに演出した(まあ)

あらすじ:「ティファニーで朝食を」の雨のシーンのようなロマンスに憧れていた私。イギリスのパブで出会った素敵な彼は、傘をささない人だった。

◆担当編集者からのコメント

綴られる文体から「彼」の魅力がひしひしと伝わってきて、読みながら心がキュウッと締め付けられるエッセイでした。映画のワンシーンのような大雨が、自身の感情の追い風となる様子から、曇天続きのイギリスの空気感まで丁寧に描かれていて、臨場感のある素敵なエッセイでした。

火傷した不安を癒す電話越しの雨音と彼の声。数週間後、私たちはさようならをした(じょぜふ

あらすじ:マッチングアプリで知り合った彼。ある日、手に大きな火傷を追った私は、彼に不安を癒やして欲しくて雨の中、電話をかけた。

◆担当編集者からのコメント

恋愛の難しさ、1人の気持ちだけではどうにもならないやるせなさがよくあらわれているように感じ、共感と少し切ない気持ちになりました。電話をかける前のどこか緊張感のあるLINEのやりとり、声を聴いて安心する様子。突然のお別れ。思わず自身の過去の恋愛と重ねながら読み進めてしまう方もいるかと思います。エッセイ冒頭から読者を引き込む構成も素敵です。

以上、「雨と思い出」のかがみすと賞、編集部選の発表でした!たくさんの素敵なご投稿を、本当にありがとうございました。現在募集中のテーマはこちらから。みなさまからのご投稿、お待ちしております!

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