昨年、コロナで積み重なったストレスでなんとなく心が弱っていたところに、バイト先でのパワハラがきっかけとなってうつ病になった。
でも、心療内科での診断結果は、うつ病はADHDの二次障害だというものだった。

「私らしさ」と愛着もあった色んな一面は、全てADHDの特徴と診断

「一度に2つ以上のことをできない」
「大事なことでも平気で忘れる」
「気をつけているのに絶対ミスがある」
「普段は優柔不断なのに、急に大きな決断をして、実行に移しちゃう」
「気づいたら他のことをしてる」
「やるべきことは後回し」
「好きなもの、嫌いなものにはすごくこだわるけど、興味がないものにはとことん無関心」
「早めに準備を始めてるのに、なぜか待ち合わせに遅れる」
……など、これまである種の「私らしさ」だと思っていた私の色んな一面は、全て「ADHDの特徴」としてひとまとめにされてしまった。

今挙げた私の特徴は全部、決して良いこととは言えないから、ADHDと診断される前から「気をつけよう」「改善しよう」とは思っていた。
でも、これまではありがたいことに、これらの特徴を「マイペース」「抜けてる」「のんびり」みたいな、やさしい言葉で表現して、受け入れてくれる人に囲まれていたから、そこまで深刻に悩んだことはなかった。それに、「頑張っているのに、なんか抜けてる」いわゆる「ぽんこつ」な自分に、正直なところ愛着もあった。

薬を飲んでも、相変わらずぽんこつさが残っていることにホッとした

だから「ぽんこつ」な自分のあれこれがことごとくADHDの特徴に当てはまって、薬で改善できると言われた時、「私はダメ人間だ」とパワハラで粉々になっていたメンタルがちょっと救われた反面(もちろん、病院の先生はそんなことは一言も言っていないのだけど)、「『私らしさ』って、薬でなくなっちゃうやつなんだ。薬で治さなきゃいけないやつなんだ」というなんとも言えないモヤモヤが生まれた。

色々葛藤もあったけど、ADHDの治療を開始してから、もう半年が過ぎた。
通院を重ねるうちに、薬の種類は1番効果が強いものに変わり、量も増えた。今では自立支援医療制度も受けている。
正直、薬を飲んでもぽんこつな部分は消えないし、吐き気、寝付けない、お腹が緩くなるなど副作用の方が気になって、「本当に効果あるの?」と思うけど、母から「切り替え早くなったね」とか「パニックが減った」とか言われるから、効果は出ているらしい。

それに、薬を飲んで、凡ミスが減って、計画的に動けるようになっても、相変わらずぽんこつさが残っていることには、なんとなくホッとしている。
「ADHDだからでも、そうじゃないからでもなくて、やっぱり私こういうとこあるよね」と、決して良いことじゃないけど、なんだかんだ愛おしい「私らしさ」が消えなくてよかったと思う。