「20代前半で結婚して、20代後半に1人目産んで、30代前半には2人目か3人目かな」と友人は、私にサラッとこう話した。
そんな私はもう30手前。周りの同級生は次々と結婚し、子どももいる。
仕事を辞めたり、育休取ったり、気づけば話題は家庭や育児の話ばかり。私はまだ独り身なわけで……世界が違うように感じた。

結婚は親孝行で、子どもを産まなきゃ一人前の大人じゃないの?

「結婚がさ、1番の親孝行だと思うんだよね」
「結婚したら親や親戚がほんと喜んでくれるよ」
「子どもを産まなきゃさ、一人前の大人じゃないと思うんだよね」
「子どもを育てて、初めてちゃんと親になったって感じだよね」
「自分の子どもを育てたら、大人になったって自分の親も認めてくれるはずだよ」
そんな言葉が次々と飛び交う。なるほどなるほど、と聞いている風を装うが、それって本当にそうなの?
結婚が人生の節目になることは、確かだと思う。でも、結婚することが親孝行なの? 子どもを産まなきゃ一人前じゃないの? 子どもを育てなきゃ大人になったって認められないの? それってどうなの?

結婚すれば、名字が変わったり住む環境が変わったり生活スタイルが大幅に変化する。男性は育休を取ったとしても、長期で取ることは少ない。仕事を辞める必要はない。今まで通りのスタイルが継続できることが多い。
でも、女性の場合はどうだろうか。出産や育児で仕事を続けられるかもわからない。名字が変わることが多いため、さまざまな変更を余儀なくされる。
仕事を続けられたとしても、家事や育児もこなさなくてはならない。自分の時間が確実に減る。
健康でいられるかも定かではない。結婚や出産はそれだけの大きなリスクがある。

自分で自分の道を貫くために、「結婚しない道」だって一人前の大人だ

結婚したら喜ばれる、結婚したら親孝行、子育てしたら一人前と決めるべきではないと思う。だって、私は私の人生があるから。
旦那さんに捧げることも、子どもに捧げることも違う。「旦那さんがいるからできない」「子どもがいるから好きなことができない」そんなことは言いたくない。
でも、かなり困難である。そう思いたくなくても、心の隅で思ってしまうことがあると思う。

結婚が全てではない。結婚しない道だってあってもいい。
自分で自分の道を貫くために、結婚しない道だって一人前の大人だと思う。自分の人生を自分で切り開くことも親孝行だと思う。自分を貫ける選択を取れる人ってかっこいいと思う。
だから結婚をすることも、結婚をしないことも、どちらも強要されることではない。流されるべきことじゃない。親孝行や一人前の大人は結婚では決められない。
でも、私はこんなこと言ってはいるけど、本当は結婚したい。共に支え合い、高め合って生きていきたい。

自分勝手かもしれないけど、彼から「結婚しよう」と言ってほしい

出会って6年、付き合って5年の彼。彼から「結婚しよう」って言ってほしい。
欲張りかもしれない。自分勝手かも知れない。だけど、私は彼からその言葉が出てきてほしいって思ってる。「これからもずっと一緒にいよう、幸せになろう、愛してるよ」って……。
私以外にもそんな風に考えている人がいるのではないだろうか。自分勝手だなって思う反面、言ってほしいと願う、心の葛藤。
自分から言うか、待とうか、悩んで停滞して、頭の中がいっぱいなのに、彼はいつも通りで少しイラッとしてしまう。そんな自分が嫌になって落ち込んでしまう。

私はこの5年の間に何度も悩み考えた。だけど、結局何もない。言われたいという気持ちが勝ってしまって、自分からは言い出せなくなっている。
間違っているかもしれない。でも、言ってほしい、いつか言ってくれるのではないか、そう考えずにはいられない。いつか私の願いも、私と同じような感情を抱いている人の願いも叶いますように……。