20代の前半を終えた今、君に出会えて良かったと思う。
20歳の時から3年間付き合っていた8個上の彼がいた。学生だった私にとっては大人で、経験値もあって素敵な男性だと毎日惹かれてばかり。
そんな彼との子供ができてしまった10月の後半。子供より就職を取ってしまった私。未だに後悔してる。本当にごめんね。

彼との間にできた子供よりも就職を取った。彼は家に帰らず浮気ばかり

11月の彼の誕生日の次の日、君は亡くなった。君が亡くなる前に彼が言った「結婚しよう」。その言葉だけを信じて社会人になった私は後悔を置いて、上京した。半年後彼も後を追って上京してきた。これが別れのきっかけになるなんて思ってなかった。
度重なる浮気で、私の心と体はぐちゃぐちゃに壊れてしまった。会社にも行けず、同じ家に住んでいる彼にはモラハラをされる毎日。辛すぎた。でも彼は親戚や親、職場の人に私のことを紹介する。そんな日々。
1年以上の時間が経った。なぜ別れなかったのかは、今思えば分からない。彼はもうほとんど家に帰ってこなくなっていた。
そんなとき、頭にふっとパーソナルジムが浮かんで調べてみた。身体は鍛えてみたいけど、どうしていいのか分からなかったから。値段も張るが確実に鍛えられるなら安いのではと思って、地域に密着しているであろうお安いパーソナルジムに行ってみたが「なんか違う……」と思って、もう一つの候補の場所に行ってみた。
そこに君がいた。特にカッコ良くもなく、背も高くない。165センチで小さい方。マスクをしている世の中だから生で顔を見ることはほとんどないが、写真で見ると私の中では完全にナシだった。
でも大人な考え方と落ち着き方、それと正反対にたまに出してくる子供っぽさに惹かれた。

顔はナシだと思っていたけど、気になってしまった「君」と急接近

歳上だと思って接していて何歳なのか聞いたら「同じ歳ですよ!96年生まれ!」。驚いた。世の中にはこんなに大人っぽい同い歳がいるのかと。学生時代理系だった私が見てきた男子は中学生みたいだったから、本当に信じられなかった。
一気に親近感が湧いて、3ヶ月通うだけの予定が6ヶ月も通ってしまった。もうその頃になると元彼には気がなくなったのでスッと自分から離れた。最初は彼から毎日電話とラインのオンパレードだったが、1ヶ月くらいでイラッとしてブロックしたからなくなった。
それくらいの時に「このジムやめようと思って。個人でやろうと思ってて、どうします?来ます?」と君から個人でどうかと誘いをうけた私。
行かないわけがない!むしろ個人ってテンション上がる!って思って通い始めて、コロナが少し落ち着いた時に1回ダメ元で飲みに誘ったらOKでテンションが上がりまくる私。
マスク外した顔はやはりナシだった。けど慣れるしかないと思っていた時、婚約者がいた事実を知った。
頭が真っ白になる感覚を久しぶりに味わった。あぁ大人っぽい人はやっぱりモテるよね、と絶望しながら何もなかったように話を聞いていたら、色々な理由があって5年付き合った彼女と婚約破棄したと。
辛かったはずなのに全て話してくれた君には感謝。私の話を聞いて似てると思ってたって言ってくれて嬉しかった。でも同じように結婚する予定で、親戚達とも旅行に行っていた私からすれば心の痛い話だった。
それと同時に、あぁでもこれは君にとって新しい恋……難しいかなあ、と思ってしまった。

付き合うのはトラウマ。でもトレーナーとお客さんの域は超えてる

でも長い目で見よう。私はこの人といて楽しいし、着飾らなくていい。ずっと隣にいたい。好きというよりはそばにいたい。
そう思ってここ半年間、ずっとふんわり好きなフリと好きじゃないフリをしてきたけど、君は気づいてたかな?鈍感すぎて気付いてないよね?ジムで1時間話していてだんだんタメ口になっていって話す内容も親しいものになって、ご飯も行ってくれて。
わざわざ実家から通うのもめんどくさいと、私の家の近くに引っ越してきて(さすがにそれはびっくりしたよ)。
とうとう実家にある車を持ってこようか迷い出した君に「乗せて!」ってダメ元で言ったら「いいよ!」って。数日前に水族館行く約束しちゃったから、私は今服装から何から何まで買わなきゃって困ってるところだよ。
軽くトレーナーさんとお客さんの域を超えちゃってるんだけど。君は私のこと、どう見えてる?どう見てる?友達?それとも女性?気になる……でもこの関係を壊したくないんだよね…このままも嫌だよ?
もしかしたら付き合うことがトラウマなのかもしれない。難しいやつでごめんね。でもできれば近くにいさせて欲しいなぁ。トラウマ克服したいから、これからもそばにいてくれませんか?

2人の大切な「君」へ。新しくできた夢のために、私も頑張るね

あとね。君には夢ももらったんだ。資格取るまで言わないつもりだけど、私ピラティスのインストラクターの資格取るよ。
教師になりたかった私は、夢を諦めて今の職についた。これは話したことあるから知ってるもんね。でもこれは言ってないよ。
諦められなかった時に君に出会ってインストラクターっていう選択肢が出てきたの。好きなことを教えるって素敵だし楽しいよね。それを教えてくれたのも君だよ?
「忙しいでしょ」って聞くと「忙しいけど楽しいから~」って言う君みたいなインストラクターになりたい。同じように夢を与えられるような人になるよ。絶対に。だから一緒に独立しようよ!
そして生まれてこれなかった砂月。パパと一緒につけた砂月という名前。ずっと大事に思ってるよ。あなたのことは忘れないからね。
私はもうパパに会いたくないけど、砂月にはずっと会いたかった。矛盾してるね?でもずっと後悔してる。だから生まれ変わって、いつかどこかで会えたら私の手をぎゅっと握ってね。ずっと待ってるから。
2人の君へ。25歳の私より。