今年の2月に、祖母が亡くなった。それと同時に、私に、祖父母と呼べる人は誰もいなくなった。
おじいちゃんがいておばあちゃんがいて、両親がいて、兄弟がいて。子どもの頃は、そんな「当たり前」がずっと当たり前であり続けるんだと思っていた。「当たり前」なんて何一つないのに、だ。おじいちゃんとおばあちゃんに、会おうと思えば会えて、おやつをもらえるんだと思っていた、いつまでも。
お骨上げが終わって、親戚皆で火葬場で向き合って、叔父が皆に挨拶をした時、ふっと思った。この中には、もう二度と会えない「家族」もいるのかもしれない。
もともと数回しか会ったことのない年上のいとこのお兄さんとお姉さん。
昔はよく一緒に遊んでたけど、大人になってあまり話さなくなった年下の男の子。
遠方で活躍している、少し歳の離れた女の子。
大人になるまで個人的に話すほどの関わりがなかった、おじおば。
みんな大好きなのだけれど、1人で会いに行くにはなんとなく、勇気がいる。会うための「言い訳」がいる。
だから、こんな時代だけれど、なるべく法事とか、そういうことがあるなら都合をつけて参加したい、と思う。
私の知らないおじいちゃんとおばあちゃんの話が聞きたい。遠方に住んだり、多忙にしていたりするいとこ達が、会えなくても元気か知りたい。
だって、私たちは「家族」なのだから。