嬉しかった一人暮らし。ドタバタな朝に実家のありがたみを実感

昔から漠然と一人暮らしに憧れがあった。
年の近い兄と妹、両親の他に祖父母と伯母さん。大人数で住んでいたからかもしれない。
お風呂は順番に、朝風呂はよっぽどの理由がないとだめ。一人部屋状態ではあったけど妹も使うため完全な一人ではない。
今思えば反抗期だったのかもしれないけど、中学に上がる頃には学校から帰ると1人になりたくて自分の世界に閉じこもるようになった。それでもご飯のタイミングやお風呂の順番が来たら、当たり前だけど声掛けがある。
明らかに自業自得だが、それを無視したり先延ばしにして怒られる日々の繰り返しが嫌だった。
ちゃんと一人暮らしをするようになったのは今年に入ってから。高校を卒業して進学を機に実家を出たが、同じく実家を出てた兄と二人暮らし、就職で東京に出てきた時も会社の寮でシェアハウス状態。完全に一人にはなれなかった。
だから嬉しかった。誰にも邪魔をされず、自分以外の音が同じ空間から聞こえてこない。お風呂もご飯も寝るのも自分のタイミング。
遅くまで起きてても、昼過ぎまで寝てても何も言われない。借りた部屋も日当たりがよくて気に入ってるし、なんて最高な空間なのだろう。最初の数か月はそう思っていた。
私の仕事はシフト制で日によって拘束時間が変わるのだが、ここ最近はずっと遅い。人もどんどん辞めて以前より働く量が増えた。起きるのが辛くて朝もドタバタ、遅刻しそうになる日も電車に乗り遅れそうになる日も増えた。
甘えだけど疲れすぎて休みの日もずっと寝てばかりで、家のことが何も出来なくなっていく。仕事でミスが増えたこともあり、散らかった部屋を見るたびに、掃除も出来ないなんて本当にダメ人間だと自己嫌悪に陥っていく。
夜は遅く朝は早い、人間関係も仕事もうまくいかず辛くてギリギリまで布団に籠る日々、散らかる部屋。今までも感じることは多々あったが、特に今回は実家や親の凄さや有り難みを感じた。
どんなにダラダラして帰ってきても、用意されているご飯に洗ってある洗濯物、掃除がされている空間、そして話したい時に話せて心を許せる相手がいること。学生の頃はあんなに嫌だったのに、こんなに安心するなんて思ってもみなかった。
掃除洗濯炊事が有り難く感じるようになることは聞いていたが、安心感は知らない。離れて暮らしてみないとわからない気付きだ。
そして毎日働いているのに当たり前のように毎食出して、毎朝洗濯して畳んで掃除をする母親の凄さ。やろうと思っても本当に真似できない。
きっと私がずっと実家に住んでいたら文句を言っていただろう。そういう意味では実家を出てよかったのかもしれない。
恥ずかしくて言葉に出来ないけど、感謝だけは忘れずちゃんと親孝行をしていこう。二度寝をかまして家を出る時間に起きたドタバタな朝、走りながらそんなことを思った。
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