社会人2年目。一人暮らしを初めて気づいた、家事の大変さで

社会人2年目になってすぐに、職場が家から遠いからという理由で一人暮らしを始めた。
最初は実家暮らしの時に感じていた煩わしさがなくなって、解放感でいっぱいだった。
親に干渉されない自由、時間を問わずにどこにでも行ける気楽さ、自分が使うものを選べる楽しさ、すべてがうれしかった。

一人暮らしに徐々に慣れるとともに、次第に大変な面も見えてきた。
一人暮らしを始める前から分かっていたことだが、実家にいた時に比べて生活にお金はかかる。
体調を崩しても近くで心配してくれる人はいないし、回復するまでなんとか耐えるのはつらい。
そしてなによりも大きかったのが、自分のだらしなさに気づいてしまったことだ。

当然だが、定期的に洗濯機を回さなければ、洗濯物はたまる一方だ。
自炊は買ったものを食べるよりも安上がりだけど、買い物も調理も後片付けも面倒。食材の管理も意外と難しい。
フローリングに埃が落ちているけど、最後にクイックルワイパーかけたのはいつだっけ?
帰ってから家のことなんてやりたくない。
今日は仕事で遅くなったし疲れているから、明日やればいいか。
ふと気がついたら、こんなことを毎日考えるようになっていた。

家事には、やったほうがいいが、やらなくてもすぐに支障がないものもある。
すぐにやらなくてもいいことは、後回しにする癖が自分にあることをひしひしと感じた。

今更気づいたのは、働きながら家事をしていた母のすごさだった

家事の大変さに今まで気づけなかった理由は、実家にいた時は母が家事のほとんどをやってくれていたからだ。
今思えば、フルタイムで働きながら家事をしていた私の母は、本当にすごかったのだ。

ぶっちゃけ自分1人分だけであれば、家事なんて自由に手を抜いたり、後回しにしたりできる。
食事なんて自分がよければそれでいいので、毎日同じものでもいい。極端な話、お菓子で済ませたり、食べたりしなくても問題はない。

でも子どもが家にいたら、何もかも自分のタイミングでできるなんてありえない。
疲れたときに手を抜くなんてこともできないだろう。
自分の言うことを聞かない子どもを抱えて、仕事もちゃんとやって、家族の人数分の炊事、洗濯、掃除をするなんて、ものすごい重労働だと思う。
考えただけで気が遠くなる。私には絶対にできない。
今の私は、自分の分の家事ですら面倒だと感じているんだから。

私が実家を出るまで享受していた不自由のない、快適な暮らしはだれかが作っていてくれたものだったのだ。
実家にいた時は親から言われること全てが煩わしくて、早く出たくて仕方なかったけれど、着る服や食事の面で不足を感じた記憶はない。部屋は毎週のように母が掃除機をかけてくれていた。
実家は母の優しさと努力によって、過ごしやすい空間になっていたのだ。
私が実家を出て初めて大変さに驚くくらい、私は何もしてこなかったし、そんな私を含めた家族のために、家を居心地の良い場所にし続けてくれた母の労力は大きかった。

次、実家に帰ったときは、ちゃんと母に感謝の気持ちを伝えたい

コロナ禍の影響で家で過ごす時間が長くなり、1人で生活することに寂しさを感じるようになった。
一人暮らしは気楽だが、このままずっと続けるのはなんか違うかもしれない、と最近は考えている。

自分以外に一緒に暮らす人がいれば、私に誰かのためにという意識があれば、家事はがんばれるものだろうか。
次に実家に帰った時に、母に聞いてみようと思っている。
そしてちゃんと感謝の気持ちも伝えたい。
23年間育ててくれて、居心地のいい家で過ごさせてくれてありがとうと。