クリスマスが好きだ。
本格的な寒さにまだ慣れず、ちょっとした変化(空気が澄んでいるとか、暖かい衣類をおろすとか)にまだうきうきしながら、あの人にあげるギフトについて、思いを巡らす。
ギフトを贈るのに最適なイベントだから、クリスマスが好きだ。
大人になって初めて、この時期が好きになった。
今クリスマスが好きなのは、子ども時代の反動かもしれない
もともと、クリスマスプレゼントがない家で育った。
「うちはキリスト教じゃない」「日本の祭事ではない」というこだわりのせいで、サンタクロースが来たことはない。
子どもの適応力の高さで、「私にはサンタさんは来ないものだ」と受け入れていた。
どちらかというと斜に構えた姿勢で「クリスマスを祝う人は流されやすいのだ」と、子どもらしくない考えでバカにしていた。代わりにお年玉を多くねだった。
親からの影響でしかないのだが、「周りと一緒なのはダサい」と考えていたひねくれ者は、素直に喜ばない、かわいくない子どもだっただろうと思う。
今、翻ってクリスマスが好きなのは、子ども時代の反動かもしれない。
今では贈り物をして、喜んでもらうのが好きだ。
偏屈な私が贈り物が好きになったのは、「いいギフトができた」と思えることがすごく嬉しく感じたからだ。
贈る相手が喜んでくれますように。純粋なのか計算尽くなのか、なんて言われそうだが、気持ちはまっすぐその人のことを思っている。
数々の贈り物が、私を嬉しい気持ちでいっぱいにさせてきた理由
これまでしてきて喜んでもらったギフトを思い出してみる。
遠方に引っ越したばかりの友達に、ポストカードを額装して小包で送った。
野球部でピッチャーだった友人に、遠征先で使いやすそうな小さいよく切れる爪切りをプレゼントした。
歩いて通勤するようになった上司に、みんなで折りたたみ傘を贈った。
久しぶりに再会した友達には、事前に用意することができなかったけど、食事した帰りに気になったお店に入って、一緒にアクセサリーを選んで渡した。
どうしてもギフト選びきれなかった友達には、お手製のカタログギフトを作って何がほしいか選んでもらった。
こうした「喜んでもらったギフト」体験が、私にとっては「その人を好きでいることの確認」になり、嬉しい気持ちでいっぱいにさせるのだった。
失敗しても気まずくならない、距離感に応じてさりげない贈り物を
私なりに贈り物を選ぶとき、コツだと思っていることを紹介したい。
まず、贈る相手に最近変化があったかを考えること。
在宅勤務が増えた、風邪をひいた、など何でもいい。
変化があるときは新しい物が必要になる場合も多い。そんなものをギフトにするのだ。
渡すときは、使う状況を考えて選んだことを話題にする。「よく話を聞いていて、自分のことを考えてくれているんだな」ということが伝わるはずだ。
二つ目は、その人が好みそうな雑誌を見つけて読んでみること。
ポイントは「雑誌」を読むことだ。その人が読みそうな雑誌を読んでみる。私はサブスクリプションの雑誌読み放題サービスで情報を探す。雑誌は、読者が好みそうだけどまだ知らない情報が並んでいる。ネットの情報がすべてではないと改めて思い出す。雑誌のなかに1つか2つは、ヒントになりそうな物が載っている。それそのものでもいいし、そこからアイディアを貰ってもいい。ギフト候補になりそうなものは記録しておき、次のギフトに役立てている。
そして、その人が好きなものに関連するものを選ぶこと。
ワインが好きな人に、ワインそのものを贈るのは気後れしてしまう。
それよりワインの保存するための小物やカラフェ、ワインクーラーなどを選んでみたい。
好きなものを更に好きになれるような、後押しできるアイテムがあったら素敵だと想う。
贈り物が成功することもあれば、失敗することももちろんある。
失敗しても気まずくならないように、距離感に応じてさりげない贈り物をしたい。
普段から、大切に思っている人への愛は惜しみなく上手に表現したい。その気持ちに一層華を添えてくれるのが、ギフトだ。
贈り物を選ぶときは、頭の中をその人のことでいっぱいにする。
この先その人が使うときに、ちょっとでも私を思い出す分だけ、前もって私もその人のことを想うのだ。
このクリスマスは誰に、どんな物を贈ろうかな。