お母さんへ
社会人になっても勉強続けて本当に偉いね、真っ直ぐ育って私の自慢だよと言ってくれるね。でも、本当はそんなに褒めてほしくないんだ。だって、私の存在がお母さんの心の拠り所みたいだから。

中高時代。大学合格という唯一の、もはやお母さんの目標に向かって勉強するだけ。熱中できることもやりたいこともない。勿論、行きたい大学もなかった。
社会人になって、きちんと付き合う人が出来た。二人の将来を考えた時、お母さんが反対する声に蓋をできなくて不安になった。
「自分の意志はどこにあるの?」。核心をついてきた彼の言葉は今も忘れられない。薄々分かっていたけれど、お母さんが絶対と思っていた自分に気がついて、家を出た。
私もそこそこ大人になった。誰しも長所短所、それぞれの考えがあって、お母さんも例外でなくひとりの人として意識できるようになってから、私は私の好きにしていいんだよなと思えた。特別なことは滅多に起きない地味な生活だけど、ワクワクはないかなって過ごす毎日はすごく楽しい。

何が言いたいかというと、お母さんには、お母さんの人生を生きてほしいということです。娘が自分の人生の賜物だと思わないで。私は大丈夫だよ、もっと自由に、お母さんの好きなように楽しんでね。