12月に入ると、至るところでクリスマスを感じる。
バイト帰りに1人でイルミネーションやツリーを見かけると、少し寂しくなる。
「クリスマス何するの?」と聞かれると、予定があったとしても、それが彼氏との予定でなければ、なんだかすごく恥ずかしい気分になる。
クリスマスは1年で1番楽しみな日だったはずなのに、こんな気持ちになったのはいつからだろう。

大学1年次、ほとんどの時間を共に過ごした4人。当然クリスマスも

家族といつもより豪華な夕食を食べたクリスマス。
サンタさんからのプレゼントを楽しみに早く寝たクリスマス。
友達とプレゼント交換をしたクリスマス。
海外で過ごしたクリスマス。
今まで色んな12月25日を過ごしてきた。その中でも、私にとって1番楽しかったクリスマスがある。それは、大学1年生の時、サークルの同期女子4人で過ごしたクリスマス。

大学1年次は、ほとんどの時間を彼女たちと共に過ごした。サークル終わりのご飯、サークル前日のお泊まり、オフの日のお出かけなど、一緒に過ごすことが私たちにとって当たり前だった。クリスマスが近づくと、当然のようにクリスマスの予定も立てた。
「クリスマス一女で過ごすんだって」と、先輩には笑われた。それでも、とにかく仲が良かった私たちにとって、それは当たり前の選択だった。

おしゃれなレストランに行くための服選び。難しくてわくわく

恋愛経験がほとんどなく、都会で過ごすクリスマスも初めてだった私たちは、「デートっぽいことをしよう!」と心弾ませながら計画を立てた。
といっても、当日のメインイベントは予約したレストランで食事をすること。少し背伸びをして豪華な食事をすることが、当時の私たちが考えた最大の「デートっぽいこと」だった。

当日に向けたそれぞれの準備は2つ。当日の服装を考えることと、プレゼント交換のプレゼントを買うこと。体育会系サークルに所属していた私たちは、普段、「どうせ汗でとれるから」とメイクはせず、服装にも特に気を遣っていなかった。
そんな私たちにとって、おしゃれなレストランに行くための服装を考えることはとても難しくわくわくすることだった。

クリスマスの日、待ち合わせ場所にいたみんなは、慣れないおしゃれをして少し照れ臭そうだったけど、とてもきれいだった。
いつもより穏やかに会話をしてみたり、ちょっと背伸びをして、大人になった気分を味わった。

当時の私たちにとっては、とても贅沢で幸せな日だった

レストランでランチをするというその日唯一の予定を終えた私たちは、ハイブランドが並ぶ街を歩いた。
そしてなんとなく、占いに行ってみた。私たち4人がそれぞれ、当時好きだったサークルの先輩との未来を聞いた。前向きな言葉に喜び、期待を膨らませた。
結局誰ひとりその恋は実らなかったが、みんなではしゃいだあの時間がとても楽しかった。

帰り際、改札前でプレゼント交換をした。プレゼントを回し、1人ずつそのプレゼントを買った背景を説明した。
サンタさんがプレゼントを届けてくれていた時のような、わくわく感があった。

同期といつも通りご飯を食べて、占いに行って、プレゼント交換をする。たったそれだけのことだったけど、当時の私たちにとってはとても贅沢で幸せな日だった。
女子4人で過ごした時間を心の底から楽しんだ。

みんながいつもより少し明るく過ごせる日であってほしい

ここ数年は、クリスマスが近づくと、なんとなく1人で外出することを控えてしまう。彼氏とじゃないと、なんとなく肩身が狭く感じる。クリスマスはカップルで過ごさなければいけないなんて決まりはないし、誰もそんなことは言っていないはずなのに。彼氏以外と過ごすクリスマスはなぜか恥ずかしく感じてしまう。

だけど、周りのことは気にせず、自分たちの時間を楽しんでいたあの日を思い出すと、どんな1日であっても、思いっきり楽しめばいいんだと思える。
毎年やってくるクリスマス。クリスマスツリーも、イルミネーションも、そこを通る全員のためにある。みんながいつもより少し明るく過ごせる日であってほしい。
友達と過ごすクリスマスも、家族と過ごすクリスマスも、カップルで過ごすクリスマスも、1人で過ごすクリスマスも、誰といても、何をしていても、素敵な時間を過ごせますように。