忘れられない匂いがある。
また訪れたい空気がある。
大好きな人を連れていきたい場所がある。
一瞬で住みたくなった松本への旅行は、過去1番を争うくらい素敵で
長野県松本市を訪れたのは、大学卒業を控えた春のことだった。
大学生活で大変お世話になった恩師が住んでいる松本。
理由はただ会いたい人が松本にいたから、というものだったけれど、それが偶然に松本であったことに心から感謝している。というくらいに松本は本当に素敵な場所だった。
旅が大好きで、月に2回以上旅し続けているなかでも、1番を争うくらいに素敵な旅だった。
率直な感想は、人が素敵すぎる、景色・空気が良すぎる、ご飯が美味しすぎる、おもてなしが素敵すぎる。
一瞬で松本に住みたくなった。
お天気にもご縁にも恵まれた旅で、なによりも嬉しかったのは教育者としてもっとも尊敬する、故鈴木鎮一先生が住んでいたお家を訪れたことだった。
書籍では読み漁ってそのメソッドを知って、感銘を受けていた。
もう会うことはできない人物だけれど、タイムスリップできるような体験はどこまでも清く尊いものだった。
良いものはずっと残る。そんな本質的に大切なことに気付けた旅
時代を超えて伝わる思想がある。
その場所には当時を味わうことのできるヒントが残っている。歴史の流れや先人への感謝が自然と湧いてくる。
そんな時間だった。
それをはじめ、大好きな恩師が連れて行ってくださったところすべてに共通していたのは、歴史の長さだった。
松本市の基準は100年単位?!
行くお店、100年、200年と続いている。
衝撃だった。
やっぱり良いものはずっと残るのだなと。
時代が変わっても、本質的に大切なことは変わりにくいものだとあらためて思った。
実際、98年に亡くなられた鈴木鎮一先生と98年に生まれた私。
出会えるわけもない偉大な先生。それでも残して下さったものから大きな影響を受ける。
こうして時代や世代を超えて、尊い流れの中に生きていることに感謝が溢れる。
100年、200年、価値が支持される“ほんもの”。
“ほんもの”に触れることは自分自身の心の内を見つめなおし、日々の癒しやエネルギーを得る体験そのものだとしみじみ感じた。
いざ、まだみぬ世界へ。旅はいつだって新しい自分を教えてくれる
こんなふうに旅は、いつだって新しい自分を教えてくれる。
知らなかったひと、体験、場所との出会いを通じて、「こうするとこう感じる」というふうに自分との出会いがある。
画像や動画で簡単に知ることのできる時代だからこその価値は、体験にあると思う。体験してみないとわからないものが確かにある。
それは体験した人にしかわからないもの。知識はどこまでいっても机上の空論なのだ。
行く道と帰り道で全然違う自分になれる。そんな帰り道が大好きだ。
限られた人生。まだ知らないもっともっと素敵な場所がたくさんある。
それを知らずに人生を終えるのは嫌だなぁって強く思う。
だから、時間とお金をかけて、足を運びたいと思う。
いざ、まだみぬ世界へ。