本を読み、この目で見た世界。海外に住む夢はコロナに阻まれたけど

旅行が趣味と胸を張っていえる。
それは私の生活が旅を軸にできているからに他ならない。
誰も自分のことを知らない世界へ飛び立てる。自由に羽を広げられる。
次はどこの国に行こうかな?
みたい景色、食べたいもの、幸せな妄想が頭の中にひしめき溢れている私にとって、旅行が仕事のモチベーションであり活力だった。
目に入るもの全てが刺激的。日常の中にある非日常の虜。
そしてそんな海外旅行に魅せられたから今の私がある。
忘れもしない初めての海外はシカゴ。
小学校6年生の時に突然、渡米のチャンスが舞い降りる。
決して裕福ではない家だったが、子供のやりたいことは応援してくれる母。
何度も頼み込んで参加したアメリカ1週間のホームステイ。
話せる英語は「Hello」「Thank you」の挨拶程度。
自己紹介もろくにできなかった。
当時の私は目に映るもの全てにドキドキ・ワクワク。
初めての飛行機に、異国の味の機内食、自分よりも大きな人がいっぱい。
街にはリスがいて、信号機の形も違う、朝ごはんには大量のパンケーキ、コーラは子供用なのに自分の顔より大きいなんて。
今まで本の中にあった世界が目の前にある。
子供の頃はいつも海外文学を読み漁っていた。
アメリカの生活を目の当たりにし、本の中の世界の背景を知れた気がした。
自分の知らないことが溢れているこの世界はなんて広いんだ!と幼心に思ったのを覚えている。
伝えたいのに自分の気持ちを言うことができない、でもそんなネガティブな気持ちを吹き飛ばすくらい楽しくて楽しくて。
それから15年経った今、私は当時と同じ。
ワクワクで溢れている。
どうしても海外に住みたい。
この気持ちを捨てきれずこの春オーストラリアに行くのだ。
仕事も結婚も、全てを失っても「海外に住みたい」という気持ちを無視できなかった。
忘れようとしたけどどうしても忘れることができなかった。
多くの人が戸惑い苦しんでいるコロナ禍。
順調にいけば日本人学校で働いていただろう。
私にとってもコロナは人生の分岐点となった。
海外に行く道が閉ざされ、「本当に自分のしたいこととは?」を考えキャリアチェンジ。
結婚の話も進んでいたけれど、それ以上に、海外に住むことを諦められなかった。
海外に住む可能性さえ閉ざされてしまうと分かると、自分の中に閉じ込めていた思いが涙と共に溢れた。
そんな自分に我ながら驚いた。
自分の本当の気持ちを見て見ぬふりをすることができないなんて。
やりたいことにチャレンジできることは本当に幸せなことなのだとつくづく思う。
後悔や迷いはない、海外に住む夢を実現するのだ。
そしてその決断をした過去の自分にエールを贈りたい。
本の中の世界に夢と希望を抱き、色んなところに行きたいと思っていた幼少期。
27歳になっても根本は変わらないのだなと、自分の決断にふっと笑いが込みあげる。
相変わらず本は好きだし、世界を自分の目で見て、自分の体で体験したい。
ただ、12歳の頃の私とは違い、自分のしたいことをし尽くしたいという思いを持って。
海外に出たいけど今どうしてもいけない人は多いと思う。
そんな時は本を読もう。
いつでもどこでも、本の世界に入れば日常からとび出せる。
そして想像力があれば世界に思いを馳せられる。
人生は長い、そして自分の可能性は無限大だ。
今いる箱の中から飛び出せば、気づかなかった自分の大切な何かが見つかるかも知れない。
自分や世間の当たり前って何?
先行きが不透明な今だからこそ、自分が好きな自分で生きていきたい。
イキイキと輝ける道が生きている人の数だけあるのだと思う。
旅は、私がこの先どう歩んでいくかの指標を与えてくれた。
そしてこれからも与えてくれるだろう。
今の私が想像もしていないくらい最高な何かも共に。
あなたにはあなたにしかない価値がある。
旅は自分と素直に向き合える契機となる。
さあ、切符を持って世界へ飛び立とう。
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