かがみよかがみでは、「メイクとの距離感」をテーマにエッセイを募集しました。たくさんのご応募の中から、編集部が一番心に響いたエッセイを「かがみすと賞」として選ばせていただきました。
今回は、かがみすと賞1本、編集部選として2本のエッセイをご紹介いたします。
◆かがみすと賞
わたしはメイクをしない選択を伝えられる「メイクさん」であり続ける(ASUKA WATANABE)
あらすじ:わたしは、その人が生き抜くためのお手伝いをする「メイクさん」。でも同時に「メイクなんてなくなればいい」とも思う。大切なのは、メイクする・しないを決めるのはその人自身だということ。
◆担当編集者からのコメント
施設の高齢者へのセラピーとして。また「おくりびと」として。世の中には色んなメイクがあるんですね。そんな「メイクさん」の仕事をするきっかけが、ご友人のリストカットの痣だったというのも、はっとしました。
だからわたしは、こんな自分も悪くないよねって伝えるためにメイクをする。
だからこそわたしは、そのまんまの自分も悪くないよねって伝えるためにメイクをしない。
メイクしなくてもいいんだよって、ちゃんと伝えたい。
メイクの力を信じて、そしてそれ以上にメイクを施す方の「生きる力」を信じるASUKA WATANABEさんの優しさが胸に迫る文章です。どちらの選択をしても大事なことは自分が決めること。大切なことを伝えていただいたエッセイでした。
◆次点①
泣くと思ってしなかったメイク。最後の記憶は綺麗な顔でありたかった(オカダ)
あらすじ:結婚話が進まない彼に、自分から別れを告げた。泣きはらした顔を鏡で見ながら、自分の方こそ大事な話から逃げていたことに気がついた。彼に、最後にもう一度会うことにした。
◆担当編集者からのコメント
失恋の翌日、朝食を食べながら流す涙。職場で普段通りに明るく振る舞うむなしさ…。身に覚えがある人も多いのではないでしょうか。
忙しい彼に尽くしてあげている自分に酔っていただけだったことに気づいた。まだ終わっていないと気づく。彼は終わっているかもしれないけど、自分の心の整理はついていないと思い立つ。
そのまま諦めず自分と向き合って、決心するまでの気持ちの変遷がとてもみずみずしく伝わります。そこからの大どんでん返し!拍手を送りたくなりました。
◆次点②
メイクは「ありのままの自分」を受け入れられるようにするマブダチ(まるやまなるみ)
あらすじ:メイクと距離を取ってきた私。ある日友人が眉を描いてくれた。鏡に映った自分の顔をまじまじと見て、「ありのままの自分」を受け入れられなかったのは、自分の方だったと気がついた。
◆担当編集者からのコメント
メイクへの反発心。そしてメイクを遠ざけたのがコンプレックスからだったと気がつく過程が、とても鮮やかに描かれたエッセイでした。
でも私は今日、メイクを自分でしてみると決めたのだ。ごくりとつばを飲み込み、ドラッグストアの袋を手繰り寄せ、中にあった小さなBBクリームを手に取った。
自分で初めてしてみるメイクのどきどきが伝わってきます。「メイクはマブダチ」って素敵です。上手に付き合って行きたいですね。
以上、「メイクとの距離感」のかがみすと賞、編集部選の発表でした!たくさんの素敵なご投稿を、本当にありがとうございました。
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